白骨の御文
先日、義父(夫の父)が急死し、あまりにも急だったものですから、警察の事情聴取、ご遺体の引き取り、義父の職場への連絡、通夜・火葬・葬儀と目まぐるしく、矢のように過ぎた日々でした。

生前の義父は親鸞さんが好きで、『歎異抄』をよく読んでいたということで、浄土真宗のお寺におみおくりをお願いしたのでした。


通夜とお葬儀でお坊さんが最後に読んでくださったのが、蓮如上人の『白骨の御文』でした。

わたしは浄土真宗のお葬儀に出席するのは今回が初めてで、昨年にわたしの母が亡くなった時は曹洞宗でしたので、そのときのお坊さんは『修証義』を読んでおられました。


「されば朝には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり」という『白骨の御文』の言葉を聞いて、朝には元気だったのに夕方には亡くなっているというのは、まさにこのたびのお義父さんのことを言っているように感じました。


わたしが2021年に書いた『「埋もれた日本」はどこにある?』の「2.「熊野の本地」は、本当に日本人のキリスト教受容に影響を与えたのか?」で、この『白骨の御文』について取り上げていました。

2021年当時は、こんなことを書いていました。



蓮如の無常観は、『方丈記』や『徒然草』の「世を儚み、世を捨てる」無常観とは異なる。

『白骨の御文』には、「されば、人間のはかなき事は、老少不定のさかいなれば、たれの人もはやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたのみまいらせて、念仏もうすべきものなり」と説かれている。

蓮如は、無常であるがゆえに世を儚むのではなく、無常である現実を直視し、積極的に生きることを説いたのだ。



こうして自分で読み返してみると、朝には元気でいても夕方にはもう亡くなっているかもしれないから、一日一日を大切に生きなければいけないのだな、と改めて思います。


今回、ご縁がきてお浄土へ行ったわけだけれども、そのご縁が十年後にくるのか、明日くるのか、誰にも分からないものです。

お葬儀の法話の中で、お坊さんはそんなことをおっしゃっていました。


そうは言っても、悲しいものは悲しいですよね。

昨年、わたしの母が急死したあと、母と一緒におしゃべりしている夢を見るようになりました。夢から覚めて、ああ死んじゃったんだと気づき、涙がでるのです。

そういうことが三カ月ほどつづいたのでした。


わたしの父は人前で涙を見せることはありませんでしたが、妻を亡くしたショックと言うのはすごく大きいものだったようで、眠れなくなり、食欲がなくなり、結果的に帯状疱疹と十二指腸潰瘍になってしまいました。

最近になって、父の体調も落ち着いてきたようにみえます。


母が亡くなった時に、夫がたくさん支えてくれたので、今度はわたしが夫の手助けを精いっぱいできたらと思っています。


2023/02/12 12:20

南ノさん
南ノさん、発話に関する興味深いお話を教えてくださり、どうもありがとうございます!

また、お忙しいなかで「巨大猫の民話①②」もお読みいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!!

わぁ、南ノさんは高校時代にプーシキンをお読みだったんですね~。南ノさん、文学少女だったんだろうなぁと想像をふくらましております^^

『大尉の娘』と言えば、日本の宝塚が「黒い瞳」という劇題で舞台化していて、こちらも素敵ですよ。

『ルスランとリュドミラ』のプロローグも、お楽しみいただければうれしいです。


そうなんです、大昔にフランス語を勉強しておりました(遠い目)

無事に初級を修了し、中級フランス語、フランス語コミュニケーション応用、総合フランス語までとりました。

総合フランス語ではモードの歴史(オートクチュール、プレタポルテとか)みたいな内容の仏語テキストを読んでいたので、日頃何気なく目にしているカタカナの服飾用語が実はフランス語由来だったんだなぁと勉強になりました。

中級フランス語でLe Petit Prince(星の王子様)の精読をやって、原語で一番読みたかった本が読めて満足して、そこでフランス語学習はひと区切りとしたのでした。


フランス語の基礎を学んでから、次に取り組んだのドイツ語でした。

その当時、わたしのオルガンの恩師がイタリアに住んでおられて、その先生の紹介でオーストリアのアカデミーに参加させてもらえることになり、喫緊の課題としてドイツ語を勉強したのでした。

そのあたりの話は、オーストリアの旅行の思い出というテーマでしゃべログでかんたんに書いています。

そうやってドイツ語を勉強していても、行きの電車を乗り間違えて(乗る前に駅員さんに確かめたのに)、全く見知らぬ土地の無人駅で途中下車し、ここはどこ……?と呆然としたりしたのでした。

アカデミーが修了したあと、どうやって帰国したかはほとんど記憶に残ってないので、何もアクシデントが起きなかったということは、いちおうドイツ語を学んだ成果はあったのかな……。


その後、同じご縁でイタリアのアカデミーに参加することになって、イタリアは観光客がたくさん来るから英語の案内表記があるだろうと思っていたら、現地では駅名も町や通りの名前もイタリア語の表記しかなく、愕然としたのです。

オーストリアやスイスとの国境に近い山あいの村々を巡り歩いたので、二か国語表記になっているところはイタリア語とドイツ語でした。英語は皆無でした。

ちなみに、山奥に行くと、イタリア語とラディン語の二か国語表記になるのです。ラディン語って何……?と思いますよね。

空港の電光掲示板ですらイタリア語しか書いてなくて(ドイツに飛ぶ便でもドメスティック扱いだから)、予定の便が謎の遅延をしていて、あのときほど、あらかじめイタリア語を少しでも勉強しておけばよかったと思ったことはないですね。


流ちょうに話したり、難しい文学作品を読んだりする必要はなく、最低限、自力で公共交通に乗って目的の場所まで行って帰ってこれるようにするためにも、現地の言葉を学ぶって大事だなぁとしみじみ思います。


2023/02/06 23:38

成瀬川さんへ

成瀬川さん、こんにちは!

シガー・ロスの全アルバムを聴いてくださったなんて、感激です!!

これから、成瀬川さんの執筆作業に役立つかもとお聞きして、うれしい気持ちでいっぱいです(落涙)

今年はなんと、5年ぶりとなるシガー・ロスの来日公演が8月にあるのです。

ああ、チケットがとれたらいいなぁ……。


おお、成瀬川さんはブルガーコフもお読みだったのですね!

以前、ソルジェニーツィンもお読みだとお聞きしましたし、成瀬川さんはソビエト時代の作家を読みこんでおられますね。


わたしの活動報告もお読みくださり、どうもありがとうございます!

そうなんです、≪Мастер и Маргарита≫を読んでいるところです。

今格闘しているのは27章なので、ネタバレ厳禁でお願いします^^

『犬の心臓』と『運命の卵』はわたしも読みましたよ。

これらは昨年の読書会で課題図書になってですね(ウクライナ出身の作家ということで)、みんなと一緒に翻訳本で読みました。

『犬の心臓』と『運命の卵』はともに、ロシア革命や新しい政権に対する風刺が強烈すぎるので、「どうしてこんなものを書いているブルガーコフが逮捕されないでいられたのだろう? 同時代の作家は命を落としているのに……」と、読書会では話題になりました。

その疑問は、ロシア国内でも長年議論されている謎のひとつで、スターリン自身がブルガーコフの作品をこっそり読んでいて、好きだったから、彼だけは殺さないでおいたのだ、という嘘みたいな説が有力と言われています。


『犬の心臓』では、保護犬シャーリクが手術によって人間化し、モスクワ公共事業局動物処理課の課長シャリコフになり、かつての同胞(保護犬たち)を虐殺するようになります。


この手術の期間が12/24から1/6まで。シャーリクが変容するのは1/7。つまり、西方教会と東方教会のクリスマスの期間に手術が行われているので、シャリコフ誕生はイエスの降誕のアナロジーであり、なおかつ意味の逆転と言えるだろうと思います。


シャーリクからシャリコフへの変化は、「目覚めた」プロレタリアートになること、つまりロシア革命の寓話であるという解釈が一般的です。

そしてシャリコフが自分の利益だけを求める醜さ、かつての同胞を殺す悪逆さは、革命後の1930年代の大虐殺を予言したものだと言われていて、たしかにそうかも、と説得力がある説です。


犬のシャーリクは保護してくれた教授に対して「神さま」と呼びかけていますね。

しかし、神ならぬ人間が創造の御業を行おうとした結果、シャリコフという悪魔のような生きものが生まれてしまいました。このことは、革命とボリシェヴィズム(統一された思想によって理想的な新しい人間が生まれるという壮大な社会実験)に対する、ものすごい諷刺だなぁと思うところです。



話変わって、ラング/パロール、シニフィアン/シニフィエ、成瀬川さんのおかげで、久しぶりにこの単語を目にしました。

自分の読書ブログを振り返ってみると、『モードの体系』を読んだよと2007年に書いている(このブログは2代目なので、リンク先の記事は2010年掲載)のを見て、そうだこういう話だったなぁと改めて読み直したりしたのでした。

成瀬川さん、いつも刺激を与えてくださり、どうもありがとうございます!


2023/02/04 22:36

mikaさん、おはようございます!! シガーロス、全アルバム聴きましたよ!! 凄かったし、これから執筆BGMに、シガーロス大活躍になります。と、いうのも、シガーロスって、ひとつのアルバムが本当の意味で「コンセプトアルバム」になっていて、ジャンル自体がアルバムごとに違う、なのに全てに「シガーロス感がある」っていう、突き詰め方がとにかく物凄い!! ありがとうございます、感謝の気持ちでいっぱいです!!


そうそう、ソシュール。

現代になって哲学をやるならまずランガージュ、ラング、パロール。このみっつと、あとはシーニュ、シニフィエ、シニフィアンの概念をまず覚えてからスタートだ、っていう(笑)。執筆するとき、どこに照準を絞って書くかによって、説明をどうするか、って問題がありますよね。最初から説明するのだと話の前提が長すぎてどうしていいかわからない、っていうの、ありますね。それが如実にわかる一例だと思います、この話は。よく「ターゲット読者層を決める」って言われますが、要するに今みたいな話なんだと思います。


ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』。日本語訳の小説、読んで感銘を受けた僕は、ブルガーコフ『犬の心臓』や『運命の卵』も読んだのですよ、もう五年以上前ですが。それで、NOVEL DAYSに来て、当時「不動の二位」と呼ばれていた方が隣の県に住んでいまして、一緒にお酒を飲んで、そのとき、ブルガーコフの話になったんです。で、彼は『犬の心臓』を読んでいなかったので説明したのです。そうしたら「この作品もキリスト教のメタファー含まれているぜ」って言うので、「どういうことだ、教えてくれ」って言って、かなり長い説明を受けました。mikaさんの活動報告を読んで、それを思い出しちゃって。当時を思い出して、しんみりしてしまったのですよー。


なんか箇条書きみたくなっちゃいましたが、さっき起きたばかりで、頭が働かなくて、でも、すぐに返信したかったので、書きました。クリステヴァと言えば、ポストコロニアリズムの哲学者でもあり、女性でもあり、説明すべきことがたくさんあると思います。mikaさんの解説を、聞きたいです。ではでは、また。

2023/02/02 03:46

パロールとは……?

南ノさんのモーラ言語とアクセント言語についてのお話と、発声器官の未熟さから「s」音を「ch」音または「t」音で代替するというお話、皆さんと同じく目からウロコでした!!

この南ノさんのお話に、ソシュールと結びつけてアンサーされた成瀬川さんのお話もとても面白く読みました。


ソシュールの言語学に登場する重要な三つの概念があり、それが「ランガージュ」「ラング」「パロール」です。


ランガージュ:広い意味での「言葉」の概念。ラングとパロールの両方を含む。

パロール「発話」の概念。空気の振動、発声器官の運動、発声作用のこと。

ラング「言語」の概念。日本語、フランス語などの意味での言語のこと。


ソシュールは「パロール」(発話)ではなく「ラング」(言語)を言語学という学問の中心的研究対象として定めて、「ラング」を「記号の体系、差異の体系」と規定したのです。


今回の南ノさんのお話は、まさに「パロール」(発話)を主題としたお話ということになりますね。

そういうわけで、南ノさんの視点は「パロールの実践の場にいる」かたならではのもの、と成瀬川さんはおっしゃっているのですね。


ジュネーブ大学で行ったソシュールの言語学講義を、彼の死後に弟子たちがまとめた本『一般言語学講義』がフランス語で書かれているので、言語学の学術用語はフランス語由来のカタカナ語で表記されているんです。

ソシュール自身は母語であるフランス語のほかに、ドイツ語、英語、ラテン語、ギリシア語を習得していました!

これほどの言語知識があると、言語というのは「差異の体系」だと言いたくもなるのでしょうか。



ここからは余談です。

日本語で「パロール」と言えば、言語学の学術用語の意味で使うかたが多いかと思いますが、フランス語では哲学とは全く関係ない場面で、普通の日常会話のなかで使われる言葉なんですよ。


parole

①言葉、文句

②【単数】約束、確約、保証

③【単数】発言

④【単数】言語能力、話しぶり、声の調子

⑤【複数】言葉、歌詞

⑥名言

⑦(ソシュール言語学での)パロール

(クラウン仏和辞典より)


フランスの懐メロで、「Paroles, paroles」(パローレ、パローレ)という超有名な歌があります。

ダリダという女性歌手とアラン・ドロンという俳優がデュエットした歌で、なんとレコード総売上1億7千万枚だそうです。

日本でも70年代に「甘い囁き」という邦題で大ヒットしたそうです。


Dalida, Alain Delon - Paroles, paroles


この歌のサビで、男性は「なんてきみは美しいんだ」と口説いていて、女性は「パローレ、パローレ、パローレ」とひたすら繰り返しています。

1曲通して聴くと、40回くらい「パローレ」と言っているので、とにかく「パローレ」という単語が耳に残る歌ですね。


この歌は、男性側が女性に口説き文句を必死で語っているのに対して、女性側は「男っていつも言葉だけなんだから」とあしらっているという、笑える構造になっています。


あなたはいつも口先ばっかり! という意味合いでparole(言葉)の複数形paroles(言葉たち)が使われていますね。


ちなみにフランス語ではparoleもparolesもパロールという音(よりフランス語らしく表記するとパホール。フランス語の「r」はハ行の音がいちばん近い)なのですが、ダリダさんが「パローレパローレ」と歌っているのは、この歌の原曲がイタリア語の歌だからです。

ダリダさんはイタリア語の歌をフランス語でカバーしているのですが、サビだけイタリア語風に発音しておしゃれさをだしているわけですね。

日本語の歌でもサビだけ英語にしたりしますよね。


大昔にフランス語を勉強していたとき、授業でこの歌をみんなで聞いて、訳詞したのです。

何が言いたいかというと、わたしは「パロール」と聞くと、ソシュールよりも真っ先にこちらの懐メロの方が浮かんでしまって、思わず笑っちゃうという話でした。


『文芸部は眠らせない』115話~119話もとても楽しく拝読しましたので、クリステヴァの話題もふれたかったのですが、余談が長くなったのでまた今度。


2023/02/02 00:26

語り出すと止まらない話……
成瀬川さんがシガー・ロスを聴いて下さっているとのことで、うれしくてですね!!


アイスランドは人口30万人ほどの小さな国なのですが、シガー・ロスとビョークという世界的に活躍するアーティストを輩出していて、すごい国ですよね。


シガー・ロスのヴォーカルであるヨンシーのソロ曲「Go Do」も大好きです。


ヨンシー個人の業績としては、素晴らしい映画音楽があります。

映画『We Bought a Zoo』(2011)のサウンドトラックは、彼らしいきらきらした楽曲に仕上がっていて、わたしのお気に入りです。


意外なところでは、ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』(2010)のアメリカ版公式予告編にヨンシーのソロ曲「Around Us」が使われているのです。


The Secret World of Arrietty Official Trailer

(動画0:50あたりから曲in)


日本版公式予告編では、ケルト音楽風の物憂げな楽曲が使用されていて、アリエッティたちが「滅びゆく種族」というのを前面に押し出すもので、見ていて切ない気持ちになる演出となっていますよね。


一方、アメリカ版公式予告編では、ヨンシーの明るく躍動感ある楽曲に合わせて、動きのある愉快な場面が切り貼りされていて、異種族と友達になれるかも?と思わせる演出となっています。


曲と映像の切り取り方が違うだけで、こうも印象が変わるんだなぁ。

面白いですね。


2023/01/30 22:36

このアルバムに言葉はいらない

Sigur Rós(シガー・ロス)はアイスランドを代表するバンドです。

1994年、レイキャヴィークにて結成。




わたしが一番好きなアルバムは、こちらの『 (  ) 』

Untitled(無題)などと呼ばれています。

2002年にリリースされた、三番目のアルバムです。

なんと昨年の2022年、このアルバムが20周年記念としてリマスター盤がリリースされました!!



『(  )』は、8つの無題のトラックによって構成されています。

8つの楽曲は36秒間の無音によって前半と後半に分けられ、レコードの表面・裏面をイメージさせます。


前半4つはより明るく、後半4つはより憂鬱。

全体にギターよりもキーボードに重点が置かれ、ヴォーカルであるJónsi(ヨンシー)の中性的な歌声がサンプリングされています。


歌詞が聴き取れないからって、臆病になる必要はありません。

ヨンシーは、意味のない単語と音節で構成された人工言語"Vonlenska"(Hopelandic)で歌っているのです!!

アイスランド国内のファンにとっても、日本人のファンにとっても、全く同じ意味不明の歌なんです。

シガー・ロスの公式発表によると、「You xylo。You xylo no fi lo。You so ..」という11音節で1つのフレーズから構成されていて、このフレーズの繰り返しやアレンジが歌われているそうです。

この言語は「音楽にフィットする意味不明なボーカルの形」だそうで、ヴォカリーズと同じと考えれば分かりやすいでしょう。

アルバム『Von』と『Takk ...』の一部でもこの言語で歌われています。



シガー・ロスの音楽的特色は、このヨンシーの歌声と、ヴァイオリンの弓でエレキギターを弾く独特な奏法、幻想的なキーボード。

さらに、シガー・ロスの音楽には欠かせないのは、弦楽アンサンブルであるAmiina(アミナ)の存在です。


アミナの演奏者は、María Huld Markan(ヴァイオリン)、Edda Rún Ólafsdóttirviolin(ヴァイオリン)、Ólöf Júlía Kjartansdóttir(ヴィオラ)、Sólrún Sumarliðadóttir(チェロ)。 

(現在は男性2人が加わり男女混成6人組となっていますが、2002年当時は女性だけでした)


男性バンドであるシガー・ロスと、女性アンサンブルであるアミナの合奏によって、彼らの奥深い調和的な音楽が成り立っているのです。



このアルバムでわたしが最も好きな曲は、最初のUntitled #1("Vaka")です。 

澄んだ美しいピアノのメロディーに、静謐な弦楽器とオルガンの通奏低音が重なり、電子音とギターのノイズが浮遊感を与え、ヨンシーの煌めくような高音が調和します。


この楽曲のミュージックビデオは、2003年にMTVヨーロッパ・ミュージック・アワードの最優秀ビデオ賞を受賞しました。 



『 (  ) 』は無題のアルバムであり、トラックも全て無題で、聴き手が自分で曲名を思い浮かべることが出来ます。 

このような手法は、モンドリアンのコンポジションなど抽象絵画を思い起こさせますね。 

またアルバムの前半と後半を分ける36秒間の無音は、ジョン・ケージの「4分33秒」を思い起こさせます。

本盤はグラミー賞にノミネートされるなど、その芸術性を高く評価されました。



『(  )』の楽曲は、映画やドラマ、舞台のBGMとしてたびたび使われているので、思いがけないところで耳にすると嬉しくなりますね!


2023/01/30 20:57

成瀬川さんへ

成瀬川さん、こんにちは!


うわー、ミッシェルのインディーズ盤のお写真を見せてくださり、どうもありがとうございます!!

ギタリストがアベさんじゃない!? ということにまずびっくりしました。

こういうのって、本当にうらやましいですよ^^

後追いのファンにとっては、時間というのは越えられない壁ですからね。


成瀬川さんがバンド活動されていたころの下北沢での貴重なエピソードも分かち合ってくださり、とてもうれしいです!

『ぼっち・ざ・ろっく』については夫が見ていましたので、どんな場面だったのか聞いてみますね。


ご紹介いただいたフィッシュマンズ、全部聴いてみましたよ♪

初めて聴いたのですが、特に「MELODY」と「LONG SEASON」が好きです。

「LONG SEASON」は実験的な曲と言いますか、芸術性を追求した曲ですよね。

キラキラした音や水の音が印象的です。

個人的には、20:54あたりから最後までのメロディが良いなぁと思いました^^


「LONG SEASON」を聴いていて思い出したのが、Sigur Rósのアルバム『 ( ) 』(←無題)です。

わたしはもともとSigur Rósの音楽が大好きなんですよ。

美しいピアノや弦楽器のメロディーに、電子音とギターのノイズが独特な浮遊感を与えていて、ヨンシーの中性的な高音がきらきら輝いていて……。


Sigur Rós - Untitled #1("Vaka")


成瀬川さんがシガーロスをお好きかどうかわからないですが、フィッシュマンズの「LONG SEASON」をお好きなら、気に入ってくださるかなぁと思ったので、リンクを貼っておきますね。


そうそう、The Birthdayと言えば、「ピアノ」が一番好きですよ。

この楽曲もシガーロスの「無題」やフィッシュマンズの「LONG SEASON」と雰囲気が似ているかなぁ。

自分が好きになる曲なので、どこかしらに共通するものがあるのかも。


The Birthday - ピアノ


この「ピアノ」を初めて耳にした時、ミッシェルの最後のアルバム『SABRINA NO HEAVEN』のフィナーレを飾る曲「夜が終わる」を思い出して、涙が出ました。


「夜が終わる」は、ひとつ前のアルバム『SABRINA HEAVEN』の「NIGHT IS OVER」のピアノ編曲版なんですよね。

ちなみに、「NIGHT IS OVER」に歌を入れたバージョンが「Girl Friend」ですが、この曲を若き日の成瀬川さんが女性にプレゼントしたというエピソードを伺って、初々しいなぁ素敵だなぁと、ほれぼれしたのでした^^


話戻って、「夜が終わる」という曲は、メンバーがひとりひとり舞台から退場していって、最後は誰もいなくなるような感じがします。

ああ解散しちゃったんだなぁとしみじみ思えて、わたしにとっては今あらためて聴いても、泣けてくる曲なのです。



解散後にチバさんがブランキーの照井さんらと結成したバンド「ROSSO」の曲では、「1000のタンバリン」が好きでした。

でも、聴いていてやはり物足りなさと言いますか、どうしても違和感があって、やはりアベさんのギターが聴きたいと思ってしまったのでした。

アベさんが2009年に亡くなってしまって、その当時は本当に悲しかったです。



成瀬川さん、思い出深い、なつかしい音楽についてたくさんお話してくださり、どうもありがとうございます^^

とっても楽しかったです!!

今度は、「相対性理論」とやくしまるえつこさんについてお話しましょうね!!!


2023/01/28 19:45

夜分遅くに失礼いたします!! 成瀬川るるせです。

mikaさんがミッシェルガンエレファントや椎名林檎を好きということで。

もしよろしければ、フィッシュマンズのこのよっつの曲(長いので時間があるときに)聴いていただけたら、フィッシュマンズの永遠のファンである僕が嬉しいのでリンクを張りました。

椎名林檎が好きなら(というか林檎ちゃんが好きだとどこかに書いていました)、きっと好きなんじゃないかな、と。



Fishmans いかれたBaby

https://youtu.be/h_yaDmw_9rg



Fishmans WALKING IN THE RHYTHM

https://youtu.be/Bt9V_aQ07Xw



Fishmans MELODY

https://youtu.be/1SB1xU0qtLI



Fishmans - Long Season | LIVE 1998.12.28 @赤坂BLITZ

https://youtu.be/wEGR_PHKK9g



ジャンルは『ダブ・ミュージック』と呼ばれるものです。もともとダブミュージックという言葉を使い始めたのはサイバーパンクSF作家のウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』が最初じゃなかったかな、と僕は思うのですが、そのダブミュージックの、最高峰のバンドがフィッシュマンズでした。

歌詞だと特に『いかれたBaby』と『MELODY』は、(男性だと、かもしれませんが)泣き出したくなるような叙情的でいて、簡潔な言葉で成り立っています。サウンドは、ブリリアントグリーンあたりが引き継いだかな、という感じではありますが、それでも唯一無二です!!


本当は僕の『早退届』あたりに埋め込んだ方が良いのですが、なにぶん公式の動画というわけでもないし、mikaさんはじめ、しゃべログで交流している方たちには刺さる音楽なのではないかな、と思い、mikaさんのしゃべログにリンクを張ることにしました。フィッシュマンズは世田谷区を代表するバンドです!!

と、言っても好き嫌いってありますので、途中で止めてもオーケーです。格好良いかというと、「たよりない」感じですが、そこも含め、聴いていただければな、と。でわでわ。


追記:アニメ『ゆるキャン』のOPでテントが空中を浮いてるのはたぶんフィッシュマンズの代表アルバムの一枚のタイトルが『空中キャンプ』だからです。

2023/01/27 03:00

本当にあったかも? 巨大猫の伝説

アイスランドに伝わるユール猫(クリスマス猫)の話題のつづきとして、ロシアに伝わるバユン猫の民話について書きました。


巨大猫の民話①(バユン猫)

巨大猫の民話②(学者猫)


話題があちこちに飛ぶと分かりにくくなるかなと思って書かなかったのですが、巨大猫伝説と言えば欠かせないのがキャスパリーグ!!


中世のアーサー王や大魔術師マーリン(メルラン)の伝説に登場する巨大な猫、Cath Palug(キャスパリーグ)です。

Chapalu(シャパリュ)とも呼ばれています。


アーサー王たちがこの悪魔猫と死闘を繰り広げるんですよ。

え、伝説の騎士が倒すのってドラゴンじゃないのって思いますよね?


ドラゴン退治伝説と同じように、巨大猫退治伝説が伝承されているのが面白いです。

現代のライトノベルやゲームなどでも、ドランゴンスレイヤーは数多く登場しますが、猫殺しの英雄はまずいないですよね。


フランスには怪猫退治伝説が残る土地があり、そこでは「猫山」や「猫首峠」、「猫牙峰」などの地名が今も使われているそうです。



古代の神話には人身獅子頭の神々が登場するので、その神々が格下げされ、悪魔化したものとも考えられますよね。



また、各地の民話に登場する人食いの巨大猫は、オオヤマネコ(Eurasian lynx)や、1世紀頃に絶滅したとされるヨーロッパライオンがモデルなのではないかと推測します。


チャンパーワットの人食いトラ(1900年頃~1907年に1頭のベンガルトラによって436人が犠牲となった事件)

ツァボの人食いライオン(1898年に2頭のライオンによって9カ月で約35人が犠牲となった事件)

パナールの人食いヒョウ(1900年頃~1910年に1頭のヒョウによって400人以上が犠牲になったと言われる事件で、チャンパーワットのトラを討伐したのと同じ狩猟家がパナールのヒョウの討伐にも成功した)


ネコ科の大型動物による獣害事件というのは、19世紀末から20世紀初頭に、すさまじい被害の記録が残されています。(いやな記録ですが、ギネスに登録されています)

これら実際の事件を基にして、小説や映画もつくられています。


植民地時代(三つの事件は全てイギリスの海外領土で起きたもの)に獣害事件が特に多く記録されているのは、開拓で森を焼いたり、切り拓いたりして、道路や鉄道建設を推し進めたことで、野生動物と人間が接触する機会が増えたからだと言われています。


伝説やおとぎ話が伝える人食い巨大猫の恐ろしさというのは、当時の人びとにとって、本物の恐怖だったのでしょうね。


2023/01/25 21:56

有隣堂のブックカバー

R.B.ブッコロー柄の限定文庫カバーをお目当てに、有隣堂へ行ってきました。

ブッコローちゃんのぬいぐるみ(16センチ)を発見!


ブッコローぬいぐるみを抱えて意気揚々とレジへ向かったわたしですが、本命のブッコロー柄の文庫カバーは品切れ!!!

どこからどう見ても、ブッコロー目当てで文庫本を買った女なのに……。



昨年、有隣堂に足を運んだときにキーチェーン付きぬいぐるみ(8センチ)をお迎えしていたので、今回のぬいぐるみと一緒に並べてみると、親子のミミズクみたいですね。


文庫カバーは「OKゴールデンリバー」なる紙を使っているそうで、たしかにしっとりとした良い手触りです。

中身は、村上春樹の『納屋を焼く』などが収録されている短編集で、夫にプレゼントしました。

読んでくれるかな……?



有隣堂と言えば、「【日本で買える】台湾食品の世界 」で紹介されていた「冬筍餅」、これはおいしいですよ!

ブッコローちゃんが「ハマる」味と言っていたのが、分かります。



「有隣堂しか知らない世界」の「台湾食品」回を見てから、誠品生活日本橋にちょくちょく行くようになったのですが、この冬筍餅は人気商品なのか、店頭に並んでいないことがしばしば。

先日は珍しく入荷していたので、買うことができました。


誠品生活日本橋が入っているコレド室町テラスの2階には「王德傳」という台湾茶のティーサロンもあります。

専門の茶芸師さんが目の前でお茶を淹れてくれて、とっても贅沢なひとときを味わえます。


お土産に凍頂烏龍を買って帰りました。

家で淹れてみましたが、お手軽なティーバッグでも華やかな香りをじゅうぶん楽しめました。


2023/01/21 22:10

木工家具

昨年7月頃に現在の住居に引っ越してから、ずっとレンタルのダイニングテーブルを使っていました。


最近は、家具・家電のレンタル(サブスク)が充実しているので、買おうかどうか迷った時など、実際に使ってから決めることができるので、便利な時代になったものです。


それで、レンタルしたものとほぼ同じモデルのテーブルを注文して、レンタル品は返却したのですが……。



注文したテーブルが届くまで、この状態で約2週間ほど暮らすことに。

いやー、イスしかないダイニングって、シュールですね。

このイスは、引っ越して真っ先に夫が購入したこだわりの品です。


そしてついに、新しいテーブルが届きました。



イスだけの生活があまりに不便だったので、ふつうにイスに座ってテーブルでごはんが食べられるというのは良いものだなぁとしみじみ思いました。


注文した夫の話によると、この無垢材のテーブルは国内の家具工房で作られたものだそうです。

受注生産で、注文が入ってから作るのだとか。

今どき珍しいですよね。



だいぶ前の話ですが、読書会の先輩が「木工家具職人に、俺はなる!」と突然言い出し、会社を辞めて、昔ながらの工房に弟子入りした出来事がありました。


当然のことながら、先輩の奥さんは大反対。

お子さんもまだ小さかったですし、奥さんのお気持ちも分からないではないです。

最後にお会いした時の、べろべろに酔っ払って号泣していた先輩の姿を、今でも鮮明に覚えています。

あのときは、ひたすらイスをみがいていると言っていたような。


イスというのは、「イス沼」というスラングがあるほど奥が深い、ファンが多い世界なので、イスを磨くというのも大事な職人のお仕事です。

(うちの夫もいつの間にか『Yチェアの秘密』なる本を読んでいるし、イス沼に片足突っ込もうとしているかも……)


その後、やはりと言いますか、先輩は離婚してしまったのでした。

自分の夢を追いかけるって難しいものですね。


職人さんがひとつひとつ手作りした木工家具を見ると、先輩は元気にやっているかな、と思い出したりします。


2023/01/11 23:47

2023年はうさぎ年!

#私の本棚



『ウサビッチ』(富岡聡監督)というアニメのキャラクター・グッズです。


お話の舞台は1961年8月のソ連

囚人であるプーチンとキレネンコが主人公のシチュエーション・コメディ。

1話あたり90秒というスピード展開で、台詞もほとんど無いサイレント・アニメーションです。


上の写真に撮ったプーチンとキレネンコのフィギュア、よく見てください。

二羽が手に持っている名前の看板に、違和感がありますよね。


キレネンコは「КИРЕНЕНКО」とキリル文字で書いているのに、プーチンは「PUTIN」と英語で書いています。

どうしてプーチンは「ПУТИН」と書かなかったのでしょうね?



シーズン1(2006年)ではプーチンとキレネンコの退屈なラーゲリ生活が描かれ、最終話でキレネンコが脱獄。プーチンもついて行くことに……!

キレネンコは元マフィアのボス、プーチンは善良な労働者という設定です。


シーズン2(2007年-08年)では脱獄したキレネンコとプーチンの逃避行が描かれ、二羽を追跡するミリツィア(民警)とのカーチェイスが見どころ。


この逃避行でプーチンとキレネンコが乗っている車は、モスクビッチ407をモデルとしています。

モスクビッチ407は、1958年から1964年までソ連のモスクビッチ社で製造されていた実在の車なのです!

モスクビッチはМосквич(ロシア語らしく発音するとマスクヴィチ)、「モスクワっ子」というような意味です。



日本のアニメなのですが、ソ連時代のカルチャーが随所に盛り込まれているのが面白くて、放映当時は夢中になって観ていました。

シーズン1開始から今年でもう17年になるんだなぁ、懐かしいですね。


マフィアのボスだったキレネンコを裏切り、組織を乗っ取った悪党と対決するシーズン3も面白いですよ。


2023/01/09 22:49

ホーリー・ニャイト

我が家のクリスマスらしいもの。



猫さんたちがクリスマス・パーティーをする絵柄がかわいいですよね!

これ、実はきものの帯(京袋帯)なのです。

「WA・KKA」というブランド名で活動している、京都の遊禅庵さんのお品です。


この帯は、お太鼓(背中側)の柄だけでなく、前柄(お腹側)も二種類あって、とても凝っているのです!

手先は二つ折りにして巻くので、右巻きにするか左巻きにするかで、出す柄を自分で選べる仕様です。



WA・KKAさんは、こういう普段づかい用の楽しい帯をたくさん作っておられます。



今日は、今年最後の主日礼拝を守ることができました。

日頃、あまり会えないかたのお顔も見ることができて、皆さんお元気そうで、よかったです。

2022/12/25 23:36

mikaさん、しゃべログで取り上げていただきありがとうございます。星新一と言えばアシモフ(ロボット三原則で有名ですよね)の大ファンなので、SFが好きならそこから語るべきなのでしょうが、本は持っていないし長くなるので、そのうちにまた語りたいです。語るべきで語らなかったことと言えば(こちらの方がmikaさんには興味があると思うのですが)、星新一は祖父の星一の伝記『人民は弱し 官吏は強し』を書いていて、星一は星製薬をつくったひとなんですね。このひとは福島の政治家でもあり、星新一はその繋がりから、いわき(第一原発のあるいわき市ですよー)の地元の同人雑誌に寄稿したことが何回かありました(いわき市図書館に寄贈されている実物を読みました)。

その関係で、僕の住む茨城との県境にあるいわき市勿来関文学歴史館(僕が現在働いている資料館とも繋がりがありますので、宣伝です、宣伝)で、星一展を開いたこともあります。勿来とは、「来ることなかれ」という意味で、東北は蝦夷地で、朝廷とは別の人々が住む土地で、勿来はその最前線の基地があった場所だったのです。

mikaさんが興味ありそうな話をしよう、と思ったら『本棚は、僕を描く』で書きたい内容が浮かび上がってきてしまいました。『人民は弱し 官吏は強し』は、電子書籍で読んだので、まだ書く余地があるな、なんて思いました。

星新一は、いつものショート・ショートの文体で長編小説『ブランコのむこうで』というタイトルの作品を書いており、この作品、僕は大好きなのです。生と死についてのことなど、ヘヴィーなことをストレートに、それもいつもの文体で描いていて、心が打たれます。

嬉しくなってついつい語りすぎてしまいました。ではでは。

2022/12/16 23:52

星 新一

#私の本棚



NOVEL DAYSで「私の本棚」という新しい自主企画が始まっています。

さっそく成瀬川さんが『本棚は、僕を描く』と題して参加されていて、その第1話が星新一の作品がずらりと並んだ棚でした。


わたしも持っている!! 

と、うれしくなり、思わず手持ちの星新一作品を並べてみました。

よくよく見ると、成瀬川さんとかぶってるのもあれば、かぶってないのもありますね。

子どもの頃に読んでいたものなので、ぼろぼろのぼろです。


『ごたごた気流』(角川文庫)に収録されている「門のある家」という短編が引き込まれる設定で、いまだにストーリーをよく覚えています。


村山さんも星新一をお好きだとおっしゃっていて、以前にわたしが「門のある家」が面白いよというお話をしたら、その後、わざわざ『ごたごた気流』を買って「門のある家」を読んだよというご報告をDMでくださり、村山さんのやさしさと律義なところに感動したのでした。


「門のある家」の紹介ではなく、村山さんとの思い出話になっていますね。


というか、星新一作品というのは、あらすじを説明するとネタバレになるので、説明できないのです。

今考えると、この「門のある家」というのは、遠野物語の「迷い家(マヨヒガ)」の伝承と似たものがあるなと思います。


2022/12/16 22:42

mikaさん、昨日は私の方へご訪問下さいまして、ありがとうございました!

台湾茶もお出しせず、大変失礼を致しました……(*^^*)


事件の続報を教えて下さり、ありがとうございます!

「実はエリート中のエリートであるリバタリアンたちに共和党支持者が多い」

というお話、目からウロコでした。

世間一般のイメージほど単純な話ではないんですね……。


それから、私の「台湾日記」の方も読んで下さり、本当にありがとうございます!


そうなんです、台湾において、中国との情報戦は非常に激烈、且つ重要です。

mikaさんが「政治的な思惑がある国家規模の情報戦とも言えるデマに対抗するのは、とても難しそう」と書いて下さいましたが、正に仰る通りだと思います。


それでも台湾はよく対応していると思います。すぐ「ファクトチェック」が入るので、ちゃんとしたソースから情報を取得していれば問題ないのですが、今回の台湾統一地方選で明らかになった問題は、「いい加減な情報を鵜呑みにしてしまう人」「自分にとって都合のいいイメージにあっさり影響を受けてしまう人」がいかに多いかだと思います。


そういう意味では、mikaさんの記事とも関わる部分があるのかもしれないですね……(*^^*)


あ、村上春樹のビールの話ですが、村上はアメリカ人同僚の忠告を無視して、バドワイザーを飲んでいたそうです(笑)


村上訳のレイモンド・カーヴァーの短編集『大聖堂』!


私も持っています。「村上春樹翻訳ライブラリー」の一冊ですよね。


いつもいい本が選ばれる素敵な読書会ですね!

有意義で、楽しい時間をお過ごしになられますように♪♪

2022/12/15 22:05

南ノさま
わぁ、南ノさん、こんにちは!

お忙しいなかでお読みいただき、どうもありがとうございます!!


事件の続報をお伝えしますと、昨日12/13にバハマ警察によってサムが逮捕されました。裁判所に出廷したサムは手錠をかけられておらず、両親と弁護士が付き添い、保釈を認めるよう求めました。裁判官は悩んだ末、保釈を拒否。来年2/8にアメリカへの身柄引き渡しの審問が行われるそうです。


新事実が次々と明らかになるにつれて、サムの「利他的な人柄」というイメージは、慎重に作り上げられたもので、実際は人徳をほとんど持ち合わせていなかったことが証明されつつありますね。


暗号資産の世界はリバタリアンが多いため、サムのように民主党陣営に大口の寄付をして、「リベラル」であるとアピールするのは、珍しかったんですよ。


現代のアメリカでは、リベラルは文字通りの意味ではなくて、社会民主主義的な福祉政策、所得の再分配による経済の平等などを意味しているので、「小さな政府」を求めるリバタリアンとは目指している社会が根本的に違います。


アメリカの選挙を日本で報道する場合、共和党=保守(低学歴低所得者層)、民主党=リベラル(高学歴高所得者層)という図式で紹介されがちですが、実はエリート中のエリートであるリバタリアンたちに共和党支持者が多いのです。

意外ですよね。


なので、高度な教育を受ければ人格が磨かれて、社会的公正を重んじるようになり、環境、人権などの意識が高く、社会福祉政策に共感するようなる、という「神話」は間違いだな、と最近思うようになりました……。



南ノさんに教えてもらって、「光クラブ事件」というのを初めて知りました! 

この事件で、東大生社長のかたが自死を選んだと知り、驚くとともに、すごく残念に思いました。

残りの人生を詐欺と倫理観の欠如の象徴として生きるのに耐えられなかったのかもしれませんが、生きてこそ償えるというものです。

いやー、三島がこの事件をどのように小説にしているのか、気になります!


一方のサムはと言えば、背任行為に対する罪の意識や顧客に申し訳ないという気持ちをまったく感じていないようです。

倒産を発表するツイートなんて、”Hi all”で始めてますからね。



実は今年5月に、シンガポールに本社を置くテラフォーム・ラボ(Terraform Labs)が発行する暗号通貨の一種であるTerraUSD(テラ)とLuna(ルナ)が暴落し、1週間で450億ドル近い時価総額が消え去る事件が起こりました。

このテラフォーム・ラボの創業者兼CEOであったドー・クォン(Do Kwon)は韓国出身で、スタンフォード大学を卒業しているんですよ。

テラ崩壊後、集団訴訟が提起されて、韓国の検察によって逮捕状が出されましたが、12月現在もドー・クォンの身柄は拘束されず、セルビア(韓国と犯罪人引渡条約を結んでいない)に潜伏しているという噂があります。



サムの両親はスタンフォード大学の教授で、アラメダの元CEOキャロライン・エリソンもスタンフォード大学卒、崩壊したテラの創業者もスタンフォード大学卒……。

というわけで、わたしのなかで有名大学ブランドは信用してはいけない、という気持ちがめちゃくちゃ強くなったのでした。



南ノさんの「台北市長選挙レポート(一)~(三)」と「台湾統一地方選挙翌日レポート」、拝読しました!

またあらためて、南ノさんのところにお邪魔させてくださいね^^

お心のこもったお便りを、どうもありがとうございます。

2022/12/14 20:48

mikaさん、こんばんは!


『五月に売れ』第4話~6話「世界を騙した男」拝読しました。

本当はファンレターの形でお出ししようかと思ったのですが、今「NOVEL DAYS」が妙な具合になっているので、この時期レターをお出しすると、かえってmikaさんにご迷惑がかかることになるかもしれないと思い、こちらにて失礼します。


経済雑誌に連載されている人気コラムを読むように、今回もタイムリーな話題を堪能させていただきました(*^^*)


サムの「セルフブランディングが見事であったと言うほかない」という部分が特に印象的でした。


一見セルフブランディングとは無縁のような人物が、実は計算しつくされたセルフブランディングをしていたわけですね!


この記事を読んで、この間の台湾統一地方選を思い出してしまいました。選挙期間中、民進党の陳時中は、国民党陣営からの激しい誹謗中傷に晒されたわけですが、その批判の内容はどう見てもエビデンスのない、殆ど幼稚としか言いようのないものだったにも拘らず、中間層にはかなり影響を与えていたという報道を見て、あっけに取られてしまいました。


ネットでわかり易いイメージだけを拾い読みして、自分では何も考えずに「わかったような」気になってしまう人がこんなに多いのかという恐ろしさでした。


「活動報告」も拝読したのですが、「学歴に対するバイアスというのは危ういもの」というmikaさんの言葉にも、深く首肯させられました。


特にアメリカのような国では、名門大学に対する「神話的」信頼が日本よりも根強いのかな、とも感じました。(日本でもかつて、三島由紀夫が『青の時代』で題材にしたように、東大学生による「光クラブ事件」がありましたが、その他はあまりないようですね…)


そう言えば、村上春樹のエッセイで、村上がアメリカの大学で教えていた時に、同僚の教授から、「うちの大学の教員がバドワイザーのビールなんか飲んではいけない」と言われたという話を書いていて、アメリカの大学はそんなに権威主義なのかと、ちょっと滑稽な感じがしたのを覚えています。(大学教師にふさわしいビールって、いったいどんなビールなんでしょうね?)


長々と書いてしまってすみません。


mikaさん、どうかお体にお気をつけて執筆活動をなさって下さいませ。

ゆっくりと、そして心から楽しみに、mikaさんの新作を待ちたいと思います(*^^*)

2022/12/13 20:34

老病猫ホーム

最近、叔母から相談を受けて、有料老猫ホームの存在を知りました。


有料老人ホームではなく、有料老猫ホームってなに?


叔母は今、二頭の猫さんと一緒にひとりで暮らしています。

夫はすでに亡くなっていて、子どもはいません。

姪であるわたしが唯一の相続人、叔母に何かあった時にすべての面倒をみる約束になっています。


その叔母が「自分が死んだら、猫たちはどうなるのか」ということを非常に心配して、思い悩んでいます。

叔母が急にそんなことを言い出したのは、わたしの母(叔母にとっては姉)の急死がきっかけです。


わたしの亡母は、遺伝性の病気が原因で腎不全となり、50歳から人工透析療法を受けていました。

この病気には心臓弁膜症と脳動脈瘤の合併症があります。

母は心臓の手術を乗り越え、脳の方も早期治療とリハビリのおかげで、支障なく日常生活ができるほど回復していました。

この遺伝性の病気とは別に、母の場合は40代の頃に乳がんの手術も受けていました。

本当に病気と闘い続けた人生だったと思います。


叔母も母と同じ遺伝性の病気が原因で、人工透析療法を受けています。

今年になって、わたし自身も母と叔母と同じ遺伝性の病気を発症していると分かりました。

なので、叔母が母の急死にすごくショックを受けて、「自分もいつ死ぬか」と不安になる気持ちはよく分かります。


もちろん、叔母の一番の願いは、自分が責任を持って最後まで猫たちの面倒をみることです。

しかし、叔母が入院するなどして、猫たちの世話ができなくなる事態というのは、突然訪れる可能性があります。

万が一のことを考えて、あらかじめ準備しておくというのは、悪いことではないと思います。


叔母が考えたのは、終生飼養(終生あずかり)をしてくれる有料老病猫ホームに費用を支払ってお願いするという案です。

今回、わたしも初めて知ったのですが、有料老人ホームのように、有料の老猫・老犬ホームというのがあります。

そのなかでも、特別なケアを必要とする猫を受け入れてくれる、老病猫ホームというのがあるのです。

資料を取り寄せたところ、入居時の費用が100万~200万ほどかかるそうです。

わたしは今まで一度も猫を飼ったことがないので、この金額が正当な対価なのか(あるいは安すぎるのか高すぎるのか)全く分かりません。



そこで、老病猫ホームにアポをとり、施設を見学させてもらえることになりました。

夫に運転してもらって教えられた住所に向かうと、自然に囲まれた郊外の住宅地の一角にある、ごく普通の一軒家でした。

大きな看板などもないので、職員さんが出迎えてくれなければ、素通りしてしまいそうです。

(落ち着いた環境で猫たちが暮らすことを目的とする施設なので、猫カフェのように一般公開していません)


実際に猫たちの暮らしぶりを見て、館長さんと職員さんから詳しいお話をお聞きし、ホームに入居するということの具体的なイメージが持てるようになりました。


まず、猫たちにはそれぞれの個室(床から天井までの縦長ケージ)があります。

足が悪いため、縦長ではなく横長のケージで暮らしている猫さんもいます。

ケージの扉は常時開放されていて、ケージ内でじっとしている猫さんもいれば、自由に歩き回ったり、お昼寝している猫さんたちもいました。

(じっとしていたのは、わたしたち見知らぬ人間が来たことで、警戒していたからかもしれませんね)

常駐するスタッフは、館長さんと職員さんの二人だけで、施設内の掃除・食器洗い・消毒などを手伝ってくれるボランティアスタッフさんが日替わりで来られるそうです。



わたしから館長さんたちに質問したことは、健康管理(主に食事)についてです。

叔母の猫たちは、獣医師さんの処方により、ヒルズ社の特別療法食を与えているそうなのです。

食物アレルギー(食物不耐性)対応の療法食でなければ、下痢がつづくのだとか。

ただ、この特別療法食なるものは、動物病院から買わなければいけないので、はっきり言ってお高いです。

叔母が心配していたのは、そんなお金のかかる食事をホーム入居後も与え続けてくれるかどうか、ということでした。



このホームを運営する団体は、飼い主のいない猫の保護と里親探しの活動を行っている認定NPOです。

譲渡につながりやすいのは、若くて健康な猫たち。

一方で、野良生活や飼育放棄の現場から保護されるのは、病気や障がいなどのハンディを背負った猫たちが多い。


そういった活動の積み重ねから、一時的なシェルターだけでなく、高齢の猫や病気の猫の終生飼養を目的とするホームができたのだそうです。

そのため、有料の「終生あずかり」で入居している猫というのは思っていたよりも少なく、里親を探している猫たちがほとんどでした。


わたしも見学して初めて知ったのですが、このホームではFIV(猫エイズ)キャリアの猫たちも同じ屋根の下で暮らしていて、キャリアの猫たちと、ノンキャリアの猫たちは、居住区を完全に分けて生活していました。


近年、団体の活動に賛同してくれる獣医師さんが見つかり、直営の診療所(スペイクリニック)の開設まで至ったのだそうです。

レスキュー対応も行うシェルター付き保護猫医療施設なのだとか。


ホームにも、獣医師さんと動物看護師さんが定期往診してくれるとのことで、入居後も継続した栄養指導や必要に応じた治療が受けられるというお話を聞き、叔母さんが心配していた食事問題はおまかせして大丈夫そうです。


そしてもし入居するとなれば、スムーズに治療の引継ぎができるよう、かかりつけ医から紹介状(診療情報提供書)を出してもらう必要があるということを教えてもらいました。




今回、老病猫ホームの見学をさせてもらい、館長さんと職員さんからお話をお聞きし、学ぶことがたくさんありました。

資料に提示されていた100万円という入居費は、決して高いものではないと感じます。

館長さんは、わたしと同世代(わたしよりちょっと年上)のかたで、労働時間を考えると、対価が見合わないのでは、思ってしまいました。

こういうボランティアのかたちもあるのだな、と初めて知ることばかりでした。


そして、わたし自身、もっと叔母と話をして、猫たちについて情報共有する必要があるな、と思いました。

これは叔母が元気なうちでなければ、できないことです。


もし母と同じように、叔母の容態が急変する事態になったら、わたしが猫たちの一時あずかりをすることになるはずです。

(さいわいにも、今年引っ越したマンションはペット可だそうです)

特別療法食を与えていることも、今回話し合って初めて知ったので、もし知らないままだったら、悪気なく市販のフードを与えて、猫たちの健康状態を悪化させていたに違いありません。

叔母の猫たちのかかりつけ医がどこなのかも、いずれ聞いておかなければいけないですね。


叔母には、母よりも長生きしてほしいと願っています。

「自分が死んだら」とばかり思いつめていないで、前向きになってほしいです。


2022/11/27 21:55

プロフィール

ロシア文学が大好きです。 2012年2月からロシア語を勉強しています。

NOVEL DAYSで活動中です。
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