彪と暎蓮の他愛ない会話 その4 ~彪君の趣味~

『賭け』自体はすごく他愛もないことなんだよ。

街の、同じくらいの年ごろの子が何人か集まって、街を見て、

「あそこの店に入っていったおじさんがどのくらいで出てくるか」とか、

「雨上がりの通りを通るあのおばあさんが、水たまりですっ転ぶかどうか」とか。


だけど、それを、お金を賭けてやるんだ。

街の子供には、お金に困っている子も結構いてね。この遊びが、生活費の足しになっていることも、あるんだ。


まあ、でも、こう言っちゃあなんだけど、それは、この国の先代の王時代の話で、王様が扇様になってからは、治安が抜群に良くなって、街の生活も豊かになったんだよ。

それは、俺が、休日に実際に街に出て、見ているから知っていることなんだけれど。


だけど、『賭け事』はすでに遊びの一部になっているからね、この慣習はなかなか消えなさそうだね。

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