100年の恋
自分が恋愛したことがないので、恋愛ものは大変苦手である。人を好きになる感覚がわからないので、中々、会話が続かないのだ。
さて。
そんな中にあっても、読み物としては、悲恋モノ、好きです。
お互いに好き合ってるのに、結ばれることなく、別な人と結ばれて、時がたち、それぞれの穏やかな生活に満足しつつも、昔の恋人のことは、美しい思い出として心の中にしまってあるのです。
そんなある日、偶然再会する二人。
お互いに、この人と結ばれたらどんな生活をしていたのだろうと思いながら、現状を報告し、時間の流れをお互いの中に確かめ合い、そしてまた現実に戻っていくのだ。
さながら、竹内まりやのように。
さてさて。幼い姫君が、若侍に恋をしました。元服は15歳ですからね。それ以前の初恋です。13歳ぐらいにしときましょうか。道ならぬ恋です。若侍は、許嫁の元へ。姫は、敵国へ人質としてお輿入れ。
引き裂かれるときに、
「100年後もあなたを愛しています」
100年後、つまり、死んでもあなたを好きでいます。と、いうわけです。
時代背景というのがあって、例えば中世のヨーロッパであったり江戸時代、それ以前の古い時代であれば、戦なり病なり、まあ、平均寿命だって短い時代、100年後なんて生きてないわけです。が、現代を顧みると、ご長寿最高齢の記録は122歳。ご存命の最長寿は118歳。100歳以上生きてるのは、ざらにあるのです。
ここで、アマノジャクは考えるわけです。時代背景なんか、ガン無視でね。
例えば、これが現代だったらどうよ。13の初恋でさ、100年後も好きだ。っていって、本人は、100年後までは生きてないだろうと思ってうっかりはいたセリフだけど、可能性としては0ではないわけです。
113歳。生きてるかもしれないのです!
いや。うっかり変な約束はできないね。
113歳になった暁に、115歳のじーさんが、あの時の約束を果たしに来たよ。って、来ないとも限らないじゃない?
100年の恋も冷めちゃうよね。
いや、むしろ、再燃するか? 老いらくの恋って。