彪様のご気分がすぐれないようなので、私も帰ることにしますが。

読者の皆様、淳虎さんの頭の中は、今、混乱しているようです。『頭脳体力』がない『虎』なので、ご迷惑をおかけするとは思いますが、新作発表まで、またしばらくお待ちいただけると幸いです。

何卒、宜しくお願いします。

それでは、またこの『小部屋』でお会いしましょう。

ごきげんよう。

体調でも、お悪いのですか？

まだ色々とお聞きしたいことがあるのに……。

彪様。

淳虎さんは淳虎さんで、同じような話にならないよう、物語の世界を広げようとしてくださっているようですよ。そこをくんで差し上げましょう。

それに、私、街での彪様のおうちになら、行ってみたいです。

淳虎さんも、みそぎをなさるといいのですよ、きっと。

私たち『巫覡』は、行き詰まると必ずみそぎをしています。そうすると、案外『天帝』様からいい『天啓』が頂けたりして、混乱状態を抜けられるのですよ。

私もそう思っているのですが。

……淳虎さんが、今、一つお話を書き終えて、放心状態になっているらしいのです。夜なんて、９時ごろに寝てます。

そうですね……。

実は私も、それを危惧していたのです。今回、ああいう発端を選んだのは、彪様の『術』のためにそうしたらしいのですけれど、もう一つ案を考えていたらしくて、そちらと混ざってしまったようなのです。