Passiflora(パッション・フラワー)
成瀬川さんが、パッション・フルーツの話をしてくださって、
パッション・フルーツのpassionは「情熱、熱情」の意味ではなく、「イエス・キリストの受難」の意味のPassionであると知って、とても驚きました。
この花、日本では「時計草」と呼ばれているそうなんです。
文化背景の違いで、同じ花を見ても「受難の花だ!」と思ったり「時計の花だ!」と思ったりするというのが、面白いですね。
以下、覚え書き。(カッコ内はわたしのコメント)
パッション・フルーツは、passion flowerの果実。
15世紀から16世紀にかけて、スペインのキリスト教宣教師たちは、この花のユニークな構造を磔刑のシンボルとして見てとり、「受難の花」と命名した。
(ちなみに、Passionという言葉は「苦しみ」を意味するラテン語passioに由来します。)
青いパッション・フラワーは、キリスト教のシンボルのほぼ全てを網羅していると言われている。
葉の先端が尖っているのは「イエスを刺した槍」、「イエスを鞭打った鞭」。
10枚の花弁とがくは「忠実な10人の使徒」(イエスを3度否定したペテロとイエスを裏切ったイスカリオテのユダを除いた人数)。
花托は100本以上ある「棘の冠」。
3本の棘は「手足に打ち込まれた三本の釘」。
青と白の花色は「天国と純潔」。
三日間の開花は「イエスの宣教の三年間」
(伝統的にキリスト教絵画で青い衣を着た人物がいれば、男性であればイエス、女性であればイエスの母マリアを示します。ひと目でわかるアトリビュート)
15世紀以降、ヨーロッパに持ちこまれてから、この花は各地で受難に関連した名前がつけられている。
スペイン語ではespina de Cristo(キリストのとげ)。
ドイツ語ではChristus-Krone(キリストの冠)、Christus-Strauss(キリストの花束)、Dorn-Krone(茨の冠)など。
なお、キリスト教の文化背景のない土地では、この花の形は時計の文字盤を連想させた。
日本では「時計草」と呼ばれる。
イスラエルでは שעונית(クロック・フラワー)。
インドでは、青いパッションフラワーはクリシュナカマラ(愛と美の神クリシュナにちなむ)、あるいはパンクパンダヴ(『マハーバーラタ』の主人公である5人の兄弟パーンダヴァを指す)と呼ばれている。