日々ログ

本当にあったかも? 巨大猫の伝説

アイスランドに伝わるユール猫(クリスマス猫)の話題のつづきとして、ロシアに伝わるバユン猫の民話について書きました。


巨大猫の民話①(バユン猫)

巨大猫の民話②(学者猫)


話題があちこちに飛ぶと分かりにくくなるかなと思って書かなかったのですが、巨大猫伝説と言えば欠かせないのがキャスパリーグ!!


中世のアーサー王や大魔術師マーリン(メルラン)の伝説に登場する巨大な猫、Cath Palug(キャスパリーグ)です。

Chapalu(シャパリュ)とも呼ばれています。


アーサー王たちがこの悪魔猫と死闘を繰り広げるんですよ。

え、伝説の騎士が倒すのってドラゴンじゃないのって思いますよね?


ドラゴン退治伝説と同じように、巨大猫退治伝説が伝承されているのが面白いです。

現代のライトノベルやゲームなどでも、ドランゴンスレイヤーは数多く登場しますが、猫殺しの英雄はまずいないですよね。


フランスには怪猫退治伝説が残る土地があり、そこでは「猫山」や「猫首峠」、「猫牙峰」などの地名が今も使われているそうです。



古代の神話には人身獅子頭の神々が登場するので、その神々が格下げされ、悪魔化したものとも考えられますよね。



また、各地の民話に登場する人食いの巨大猫は、オオヤマネコ(Eurasian lynx)や、1世紀頃に絶滅したとされるヨーロッパライオンがモデルなのではないかと推測します。


チャンパーワットの人食いトラ(1900年頃~1907年に1頭のベンガルトラによって436人が犠牲となった事件)

ツァボの人食いライオン(1898年に2頭のライオンによって9カ月で約35人が犠牲となった事件)

パナールの人食いヒョウ(1900年頃~1910年に1頭のヒョウによって400人以上が犠牲になったと言われる事件で、チャンパーワットのトラを討伐したのと同じ狩猟家がパナールのヒョウの討伐にも成功した)


ネコ科の大型動物による獣害事件というのは、19世紀末から20世紀初頭に、すさまじい被害の記録が残されています。(いやな記録ですが、ギネスに登録されています)

これら実際の事件を基にして、小説や映画もつくられています。


植民地時代(三つの事件は全てイギリスの海外領土で起きたもの)に獣害事件が特に多く記録されているのは、開拓で森を焼いたり、切り拓いたりして、道路や鉄道建設を推し進めたことで、野生動物と人間が接触する機会が増えたからだと言われています。


伝説やおとぎ話が伝える人食い巨大猫の恐ろしさというのは、当時の人びとにとって、本物の恐怖だったのでしょうね。


2023/01/25 21:56

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ロシア文学が大好きです。 2012年2月からロシア語を勉強しています。

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