グムンデンの思い出③
グムンデン市内のEvangelische Pfarrkirche(福音教区教会)も訪れました。
カトリック教会の祭壇と比べて、プロテスタント教会らしく落ち着いた雰囲気ですね。
ステンドグラスが美しいです!

この教会のオルガンも2階にあります。
オルガンの装飾もシンプルで素朴ですね。パイプがアーチ型に配置されていて、壁のステンドグラスが見えるように設計されているのが見事でした。

オルガンの向こうに見えるステンドグラスが、こちらです。

竪琴を持っている王冠の男性なので、ダビデではないかと思います。
細やかな植物模様が美しいですね。

ちなみに、オルガンの設置されている2階へ上がるには、こんなに狭い階段を登ります。

教会の外観はネオゴシック様式ですね。
プロテスタントであったヴォルフ家の支援で、1871年から1876年までに建造されたそうです。
ザルツカンマーグート地方のほかの町と同じように、グムンデンでも宗教改革と対抗宗教改革(再カトリック化)のせめぎ合いで、この教会が建てられる前には血なまぐさい闘いの歴史があったそうです。
1550年から1624年にはグムンデンに福音派の牧師がいましたが、1599年に教区教会が再カトリック化され、福音派は市壁の外に教会を建てました。1626年、住民はカトリック信仰を公言するか、国を離れるよう求められ、オーバーエスターライヒ農民戦争へと至ります。グムンデン市の門前にある町では2000人以上の人々が反政府側で亡くなり、反乱は鎮圧されました。前回ご紹介した、近くのトラウンキルヒェン修道院をイエズス会が引き継いだのは、この対抗宗教改革の流れです。
1781年、皇帝ヨーゼフ2世が寛容令を出し、プロテスタント信仰を公言しても生きていけるようなり、ハノーバー家が1860年代半ばからグムンデンで亡命生活を送るようになったことで、プロテスタントの信徒が増えていったそうです。
こちらの教会には昼間だけではなく、夜もお邪魔して、翌日のレッスンに向けて練習に励みました。