"The Sustainable Development Goals"講義ノート

Week 1:How do we measure progress? ②

How do we measure progress?

(進捗をどのように測るのか?)


SDGsの中で、多くの先進国が本当に苦労しているのは、目標12の「責任ある生産と消費」である。


専門家インタビュー②

Michael Zwicky Hauschild(デンマーク工科大学教授)


Q:私たちが購入したものが責任あるものかどうか、持続可能なものかどうか、どうすれば本当に知ることができるのか?


A:持続可能な開発とは、将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすことである。つまり、持続可能な消費とは、将来の世代を危険にさらすことなく、その消費の物質的基盤を損なうことなく行える消費なのだ。そして、その消費は、私たちが購入する製品を通じて行われる。

したがって、ある製品が持続可能かどうかを語るには、まず私たちの消費パターンが持続可能かどうかを語る必要がある。持続可能かどうかは、消費者が何人いるかによって決まる。つまり、世界の人口数、そして豊かさのレベル、そしてそれらがどのように世界に分布しているかということだ。

SDGsは、世界中の誰もが健康的な生活を送り、教育を受けることができるようにすることに焦点をあてている。そのため、私たちの消費には絶対的な限界がある。

さらに、もし私がこの製品を消費するとしたら、この製品に関連する温室効果ガスの排出量はどうなるのか、ということである。それを判断するためには、製品のライフサイクル全体(ゆりかごから墓場まで)を見る必要がある。

例えば、ガソリン車を運転すればCO2は排出されるが、車を製造する際にも、車に使われる金属の原料となる鉱石を採掘する際に、CO2をはじめとする温室効果ガスが排出されている。車が寿命を迎えて廃棄されるときにも、CO2などの温室効果ガスが排出される。


Q:私たちが生産と消費について語るとき、持続可能性とは何か、ということは理論的には分かっている。しかし、ひとつの製品にそれが「持続可能性」であるというラベルを貼れるような仕組みはまだない。


A:この空間を定量化するという科学的な課題があり、それをどのように共有するかを決めるという政治的な課題がある。

しかし、私は、環境への影響に基づく製品へのさまざまな課税方法を研究することは、非常に有望だと考える。環境への影響を数値で表すことができる。

製品税も環境への影響に応じたものにすることができる。つまり、環境への影響が大きい製品は、良い製品よりも製品税が高くなるようにすることができるのだ。そうすることで、より持続可能な製品に需要を誘導することができるだろう。



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【所感】

Goals 12:Ensure sustainable consumption and production patterns

(持続可能な消費と生産パターンの実現)


環境への影響に基づく課税は、すでに日本でも行われている取り組みだ。環境性能によって税額が下がるエコカー減税や、国から補助金が出る制度(クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金)がある。


環境と人権に配慮して生産された製品であることを示す認証マークは、すでにさまざまな取り組みがある。


Rainforest Alliance

1987年にアメリカで設立され、35年間活動を続けている国際NGO。農業に関する認証マーク(小さな緑のカエル)で知られている。


Fairtrade International

1997年に設立され、ドイツを本拠地に25年間活動を続けている非営利団体。農業従事者の自立支援のための認証マークで知られている。コーヒー、ココア、バナナ、花、紅茶、砂糖が主な対象製品。


認証マークがあっても、それを消費者が選ばなければ意味がないです。

わたしがフェアトレード認証された製品を紹介する取り組みをしていたときは、この認証マークについてほとんど知られていなかったし、説明しても、なぜその製品を選んでほしいのか、共感してもらえないことが多かったです。

近年では、フェアトレードという概念は教科書でも教材として取り上げられることが多くなり、感慨深いです。

最近では、「エシカル消費」(倫理的消費)というマーケティング用語が、日本でも定着しつつありますね。


2022/04/16 19:19

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プロフィール

ロシア文学が大好きです。 2012年2月からロシア語を勉強しています。

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