台湾旅行記、完結!
『有機交流電燈 ダイアローグ』に「台湾に行きたいわん!」と題して連載していた台湾旅行記ですが、本日公開分でようやく完結しました。
④は九份(+金瓜石)がテーマでした。
これを書いている間にちょうど成瀬川さんが『修羅街挽歌 山口県るるせトリップ』の連載を始められて、その成瀬川さんの山口旅行記に触発されてですね、九份一帯の鉱山の歴史を掘り下げて書くことにしました。
文字数が多くなってしまったので、「ゆっくり解説」とか「ずんだもん解説」のような感じで、お時間のあるときに楽しんでいただければうれしいです。
九份と言えば、『千と千尋の神隠し』の温泉街のモデル地では、という話が有名ですよね。
実際に足を運んでみると、そんなに言うほど似ているかな……?
と疑問に思ってですね。
どちらかと言えば、銀山温泉の方が似ている気がするわけです。
ただ、似ていると感じる人が実際に多くいるのはたしかなので、どうしてそう感じるのか、自分なりに答えを出してみました。
九份を歩き回っていて、目についたのは、廃墟のまま残っている建物です。
観光客向けの土産物屋さんや飲食店が立ち並ぶ商店街から、ひっそりとした路地に入ると、屋根も床も抜け落ちて、内部に草木が生え、外壁だけとなって悄然と佇んでいる建物をあちこちで見かけて、記憶に残りました。
もとは住居だったのか、お店だったのか、どんな暮らしをしていたのか、想像がふくらむとともに、手つかずのまま放置されているのが寂しい気持ちになります。
100年家屋を修復・保存して使っている「九份茶坊」のような素晴らしい実例がありますが、もちろん街中の全ての建物がリノベされているわけではないんですね。
水湳洞の「十三層遺跡」(金瓜石で採掘された銅の選鉱・製錬所跡地)は、『天空の城ラピュタ』に似ているなんて言われているんですよね。
黄金色の川が流れて、黄と青のグラデーションがかった陰陽海が近くにあり、ファンタジーな美しさがある場所なのですが、実は鉱物との化学反応による有害物質が幻想的な光景を生み出しているのです。(なので近くで見ることはできません)
美しいけれど、毒……!!
(「美しさは罪~」という歌が脳内に流れるわたし)
長年の鉱山採掘がもたらした環境汚染がそのままになっているわけですね。
やはり資源採掘の歴史というのは功罪あるなと思うのでした。
そして、③に南ノさんから教えていただいたカットフルーツ屋台の話を追記しました。
南ノさんのおかげで、あのときの屋台のおじさんの真意がよくわかりました!
本当にどうもありがとうございます!!