日々ログ

手術の話

手術が問題なく終わり、無事に退院できました!


いま、下腹部と鼠径部に1センチから1.5センチ程度の切開傷跡が計7か所あり、おへそからも器具を入れたので、おへその切開傷跡も目立ちます。



わたしが受けたのは、腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術と腹腔鏡下ヘルニア修復術という二つの手術で、婦人科と外科の合同チームで施術してくださいました。

まず婦人科の先生が右卵巣の5センチくらいの嚢腫を摘出(核出)します。

(正常な卵巣の大きさは2センチ程度らしく、わたし自身、病状説明のときにMRI画像を見てその大きさに仰天しました。)


卵巣の手術終了後、すぐに外科の先生へバトンタッチ。

外科の先生が右鼠径部の腫瘤を切除し、切除すると筋肉が弱くなるため、筋肉の内側にメッシュと呼ばれる医療用合成繊維を入れてふさぎます。

この人工物、メッシュは一生入れたままとなります。



鼠径部のしこりはずいぶん前から自覚症状があったもので、定期的に痛みも感じていました。

わたしはこれを鼠径ヘルニアだと信じて疑わなかったのですが、今年になって鼠径ヘルニアではない、全く違う病気だということが明らかになったのです。


初めてしこりに気づいた学生の頃のわたしは、小奇麗なレディースクリニックに行き、そこの院長から「鼠径ヘルニア、いわゆる脱腸ですね。押さえていればひっこみます」と言われ、以来ずっとその言葉を信じていたのでした。

あの時の医師、名前も覚えていませんが、実は完全な誤診だったのです!



今回の手術で執刀してくださった、大学病院の外科の先生によると、わたしの鼠径部のしこりは腸との連続性が無く、謎の物体なのだそうです。

考えられる仮説が三つあり、そのうち最有力なのは異所性子宮内膜症。

またまた思いもかけない病名が飛び出てきました。

外科の外来診察で病名を初めて聞いたとき、意味がわかりませんでした。

「異所性」って脳内で正しく漢字変換できませんでしたし。

本来の子宮とは全く関係ない場所(異所性)で、子宮内膜の細胞が炎症を起こしているって、どういうことなんでしょうか??


日本産婦人科学会の説明によると、子宮内膜症は「痛み」と「不妊」の原因となるそうです。

もし子宮内膜症だとすると、自覚症状が出てすぐレディースクリニックを受診した判断は正しかったのに、クリニックの医師の誤診によって、適切な治療を受ける機会を失ったわけです。

それで10年以上にわたって炎症を繰り返して、しこりが大きくなっていったと言えます。


本当に子宮内膜症かどうかは、手術後に病理検査をしてみなければ断定できないそうで、退院したばかりの現時点では、まだ謎の物体Xのままですね。




手術の話に戻ります。

ややこしい話ですが、わたしの場合、鼠径ヘルニアではないにもかかわらず、謎の物体Xを切除するとどうしても欠損が生じるので、脱腸部切除後の再建に準じる、メッシュ修復術が必要なのだそうです。


外科の先生からもらった腹腔鏡下ヘルニア手術の説明書に、「ヘルニアバンドなどによる保存的治療は効果がないことが証明されています」と書いてありました。

効果がないことが証明されてるんだ……。

じゃあ、もしわたしが本当に鼠径ヘルニアだったとしても、あのレディースクリニックの医師が言った、何かで押さえて脱腸部をひっこませるという治療法は正しくなかったわけですね。



手術前夜、三種類の下剤を内服し、お腹を空っぽにしました。

手術当日の朝から手術翌日の朝まで絶食。

手術開始の3時間前まではOS-1だけ飲んでもOKでした。

時間になり、婦人科の先生と看護師さんが病室まで迎えにきてくれ、一緒に歩いて手術室へ入りました。


そこではすでに手術室看護師さんと麻酔科の先生たちが待っていて、点滴でお薬を入れ始め、ちょっと血管がぴりぴりするなと感じているうちに意識がなくなっていました。

全身麻酔って、自然に眠りにつくのとは違い、まどろんでいる時間がなく、突然シャットダウンしたように意識がなくなるものなんですね。


腹腔鏡下手術では、炭酸ガスでお腹をふくらませて施術するそうです。


ここまで書くのに3日も費やしてしまいました。

次回、術後の話を振り返ってみようと思います。


2022/11/03 14:53

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ロシア文学が大好きです。 2012年2月からロシア語を勉強しています。

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