グムンデンの思い出①
学生時代に、オルガンの勉強にオーストリアへ行きました。
今回は、このオルガン旅行の思い出を書こうと思います。
わたしは、オーストリア・バロック・アカデミーというサマースクールに参加しました。
アカデミーを主宰するのは、ウィンナー・アカデミーという古楽器オーケストラを率いるオルガニスト、ハーゼルベック先生です。

アカデミーはオーストリア、ザルツカンマーグート地方のGmunden(グムンデン)で行われました。
グムンデンは森と湖に囲まれたリゾート地で、トラウン湖畔にSchloss Ort(オルト城)が建っています。
この白壁とタマネギ屋根の建物に、オルト城の礼拝堂があります。
湖に浮かぶ島に建てられていて、ザルツカンマーグートで最も古い建物の一つです。

遠くから眺めると、湖の上にお城が浮かんでいるように見えます。とても美しいですね。
この湖の城は909年にすでに建っていて、1626年の火災で焼失後、現在の形に再建されたそうです。
湖の城と橋でつながった陸側のお城に、わたしたちアカデミー生が宿泊しました。
バロック・アカデミーでは、名前の通り、古楽奏法を勉強します。
声楽科、弦楽科、通奏低音科といろいろあって、わたしはオルガン科を受講します。
オルガン科は、ドイツ人のエッスル先生、アメリカ人のジェームズ先生、日本人のアイ先生に指導を受けました。
アイ先生は、その当時から現在までイタリアを拠点に活動されています。
声楽、弦楽、チェンバロなどは、オルト城内で講習を受けますが、オルガン科はグムンデン各地の教会をめぐり歩いて講習を受けました。