活動報告

『ブックガイド』に1冊追加

『【ブックガイド】人生は、断片的なものでできている』に、ウィリアム・フォークナー『エミリーへの薔薇』を追加しました。

「ノーベル文学賞を読んでみよう」と題した章の2話目、ヘッセとカミュの間に挿話しています。

(受賞年順に並べています)

お時間のございます時にお読みいただけましたら、さいわいです。


『フォークナー全集8 これら十三篇』(冨山房)から引用していますが、『エミリーに薔薇を』(中公文庫)のほうが手に入りやすいと思います。電子書籍版もあります。


『エミリーへの薔薇』はミステリ仕立ての物語なので、ネタバレせずに3000字以内(注釈除く)でご紹介しています。

いちばん面白いところは結末なのですが、そこを言わずに、作品の面白さを伝えるってむずかしいですね。なんとかお伝えできていれば良いのですが……。


『これら十三篇』に収録されている短篇「あの夕陽」も名作として名高いです。

(アメリカ国内での文学的評価は、「あの夕陽」の方が圧倒的に高いです)

「エミリーへの薔薇」と「あの夕陽」、両方紹介したかったのですが、そうすると字数がすごいことになってしまうので、悩んだすえ、今回は「エミリーへの薔薇」にしました。

「あの夕陽」はキリスト教信仰が背景にある物語なので、多くの日本の読者は、アメリカの読者が感じたほどの感動を味わえないのでは? と思ったり……

聖書抜きでの説明はむずかしいですが、名作であることはまちがいないので、「あの夕陽」についてもあらためてどこかで書きたいなと思っています。



フォークナーとマーガレット・ミッチェルが同じ時期に生きた作家というのは、意外と知らないかたも多いのではないでしょうか。

しかし、アメリカ文学史の教科書"An Outline of American Literature"(アメリカ文学外観)では、フォークナーの章はあるのに、マーガレット・ミッチェルの章はないのです。

(ちなみに同世代の作家でフィッツジェラルド、ヘミングウェイ、スタインベックの章はある。後の世代の作家だと、サリンジャー、ソール・ベロー、アイザック・バシェヴィス・シンガー、ピンチョン、トニ・モリスンなど)


やはりアメリカ文学史においても、純文学的な作品と娯楽作品(エンタメ)は峻別されているということなのでしょうか……?


2024/04/22 21:35

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ロシア文学が大好きです。 2012年2月からロシア語を勉強しています。

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