佐久田さんの『ふきのとう日誌』
佐久田さん、『ふきのとう日誌』、拝読しています^^
お花の写真も、いつも楽しませてもらってます。
今さらなのですが、第53話「『侍女の物語』を読んで」の話。
鴻巣友季子さんの『女性を分断支配するディストピア』を副読本として読まれたとのことなので、同じ鴻巣さんの評論「「あり得ない世界」にいる私たち」に、興味深い内容が書かれていたので、ご紹介しますね。
トランプ政権のときに注目を集めたPeople of Praiseという、1971年設立のアメリカの保守系キリスト教団体(メンバーの大半がカトリック)があります。
この団体はもともと、男性指導者を"head"と呼称し、女性メンバーのトップを"handmaid"(侍女)と呼称していました。
アドウッドが『侍女の物語』を出版して以降、団体は"handmaid"から"woman leader"と役職名を改称したのだそうです!
近年、People of Praiseがにわかに注目されるようになったのは、トランプ大統領(当時)が最高裁陪席判事に指名したエイミー・バレット判事が、この団体のメンバーであると報じられたからです。
アトウッドはインタビューで「そういう宗教セクトがあるんです。女性を侍女と呼ぶカトリックの団体で(以下略)」と語っています。
アトウッド自身が執筆したときに着想を得たのは、People of Praiseと似たような別の宗教団体、People of Hopeではないかと言われています。
わたしたちが知らないだけで、「家父長制を敷き、夫は妻に対する権限を持つ。人間の命は受胎の瞬間に始まる」といった考え方の団体が実際にたくさんあって、その考えに賛同するメンバーが男性も女性も少なくない数、存在するというわけですね。
おどろきです。
日本でも、女性の政治家だからと言って必ずしも女性の権利の擁護者というわけではなく、名誉男性とでも言うべき政治家が少なくないですね。
男社会で勝ち抜くためには男よりも男らしいムーブをしなきゃいけないのか……。
高い教育を受ければ、自然とリベラルな考えになるというのは間違いで、社会秩序を維持する方向に進むと、男女問わずむしろ保守になるのかなと思ったりします。
最後に、「自由」の問題は奥深いですね。
エンデの『自由の牢獄』という短編には、このテーマが正面から取り上げられていて、興味深かったです。
続編の『誓願』をお読みになられましたら、また感想を聞かせてください^^