新人がいつかないのには理由があるんだよ。
この4月から、終業時間が10分後倒しになる。
パートでさ、10分のタダ働きは困るわけですよ。一本、電車がずれれば、30分、帰宅が遅れる。
正社員の口がないかなって、検索してたら、古巣の会社が目についた。一番最初に就職した会社である。法衣のクリーニングの会社。
懐かしいな。そこの会社は、スタッフを写真付きで公開している。
これ、労基に訴えたら、個人情報で引っかかるヤツじゃないのかな。ま、それはともかく。
じっくり見ていったら、知ってる顔が、半減していた。技術スタッフは、主任がやめてた。おいおい。
営業も半分入れ替え。事務なんか、知ってる人が一人もいなかった。
おいおい。
会社の半分が入れ替えになってた。
特に、技術スタッフ。おいおいおいおい。大丈夫かよ。
諸悪の根源が、相変わらず居座ってるのを見て、新人が居着かない理由がわかる。
こいつが、ほぼ、すべてやめさせてるんだろうな。うん。わかるよ。
遠回しに、間接的に、やめさせるもんな。
募集要項を見たら、初任給がべらぼうに上がってた。
……よっぽど困ってんだな。
ヤツがやめない限り、その会社の半分は、回転し続けるのだろうし、常に新しい風が吹きこむことは悪いことではないのだろうけど、10年以上勤めて辞めない固定化した人たちは、悪く言うと熟し過ぎて腐ってくるんだよ。新しいことにチャレンジする気力がないともいういよな。
新しいことなんかしなくたって、今の会社にいるだけで、給料も普通にもらえて、食うに困らないし。
そうやって、社風がコナレて(熟れ)いくといえば聞こえがいいが、固定化してがちがちに凝り固まっていくんだよ。そして、新人の入る隙がない。
表面上はにこにこして歓迎している風でも、懐には絶対に入らせない強固な連帯が生まれて、外部の浸入をシャットアウトするんだよ。
外から来た人は、そういうのに敏感だからな。あ、歓迎されてないな。って思うと、もっと居心地の良いところに、と、流れていく。
実際、居心地の良いところはあるからな。
そして、諸悪の根源が、遠回しに雰囲気を悪くして、どうせ、全部俺が悪いんだぉ。って、自虐しながら、言葉の裏に、オレ、悪くない主張でみんなに慰められてるんだよ。そうです。室長は何も悪くありません。ってな。
どこにでもある話だけど。
人を育てる気がない会社だもの。技術スタッフがどうしたって必要なのに、巷に放置されてるリソースを使って儲けようって魂胆が浅ましい。
職人がいなきゃ成り立たない事業なのに、世の中にあぶれてるそれを、俺っちが使ってやろうっていうんだよ。黙って使われテロ、的な、都合のいい解釈がほんと、鼻につく。
そもそも、和裁士が余ってるのは確かだが、その和裁士が和裁関係の職を欲しているかどうかなんて、わかったもんじゃない。大体、修業期間中に嫌な思いをして、二度と和裁なんかしない、って人だっているんだから。
そして、職人が激減してる現在、人を育てていかないと、和裁に関係する人は、今後、いなくなるからね。
そうなると、お前んとこの仕事も、あがったりだなw
そうなる前に、お前んとこも人を育てろや。って主張は、鼻であしらわれた。そんなのはする気がない。だって、和裁士は余ってんじゃん? それ使った方が、簡単じゃん?
他人の金で育てた職人で、自分とこの仕事をさせようって、どんだけせこいんじゃ。