怖い話をしよう

その8

私が通っていた小学校の近くでは、秋になるとバザーが開かれていました。
小学生の私が、友達とバザーの商品を覗いて歩いていると、
おじさんに「値段も安くするし、おまけにお菓子をたくさんあげるよ」と声をかけられました。
夕方ということもあり、閉店セール状態だったのでしょう。


私は、干支の鶏と牛の置物(両手がふさがるほどの大きさ)を買いました。
確か2つで百円?で、百円以上のお菓子をもらえたので、とても満足して家に帰った記憶があります。


親には「気持ち悪い。捨てて!」と言われました。
私は「縁起物だし、なんかご利益ありそうだなー」と思って買ったので、当然拒否して部屋に飾って寝ました。

が、次の朝目を覚ますと置物がない!でも、すぐに見つかりました。
自分の部屋内の、昨晩とは違う場所に飾ってあったのです。


家族の誰かが動かしたのかな?と思ったのですが、家族の返事は「動かしていない」「気持ち悪いから触りたくもない」。


私も気味が悪くなって、その日の朝に置物を捨てました。


置物が動いた理由としては、家族のイタズラの可能性が一番あるのですが、家族にそういうイタズラをされたことが一度もないので、改めて何だったんだろうと思います。

2017/06/30 21:53

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プロフィール

佐々木禎子(ささき ていこ)
作家。
札幌出身・東京と札幌を行ったり来たりしています。
1992年雑誌JUNE「野菜畑で会うならば」でデビュー。

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