社会のあれこれ

生理の貧困③
「生理の貧困」には③があって、それは経済的な貧困ではないけれど、たとえば、初潮を迎えた娘に親(とくに母親)がじゅうぶんな生理用品を買い与えない(買えないわけではなく、故意に与えない、つまり虐待のようなもの)ことや、父子家庭に育ったこどもがその時期を迎えても父親にいいづらくて必要なケアができない、などがあるようです。


前者は、娘がおとなの女性へと変化し成長することを母親が嫌悪し拒絶する、というものでしょうか。この母親の心理を想像すると、かなり深い闇を感じます。


後者は、わたし自身がこの家庭環境で育ったので身に覚えがありますが、幸いというべきか、当時のわたしには恥じらいというものがあまりなく、その状況に直面したとき、

「あ、これば自分の手に余る問題だな」

と早々に匙を投げて父親に

「どうやら生理というものになったっぽいのだがどうしたらよいだろうか」

と直球を投げたため、それをまともに食らった父親のほうが激しく動揺していました。

いま思うと申し訳ない……。


現実には、そうでないこどものほうが多いのではないかと思うので、年ごろの娘さんに対する周囲からのケアがあれば、だいぶ違うだろうなと思います。


実際、わたしがこどものころは、どこで生理用品を買うのかわからなかったし(当時はまだインターネットが普及していませんでした)、なにより、狭い田舎でだれが見ているかわからないので買うところを見られたくない、という思いがありました。

では、どこでそういったものを入手していたかというと、父親の行きつけの飲み屋のママさんが代わりに買ってくれていました。父親がママさんに代金を渡してお願いしてくれていたのです。とても助かりました。


母親がいないこどもにとって、親身になってくれるおとなの女性からの手助けは、ほんとうにありがたいものでした。


生理は、ほとんどの女性が長い期間つきあっていかなくてはならない毎月の一大事なので、おとなへと一歩足を踏み出した少女たちが、その出だしや早い時期に不安を感じたり不快な思いをすることがないよう、必要なものを速やかに手に入れられる環境が整うことを願います。


女になんか生まれなければよかった、という呪いを、少女たちが自分にかけてしまわないように。

2022/04/06 11:24

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