読書日記

「香港シェヘラザード」三角くるみ
上下巻一気読み。

主人公は香港に赴任中の新人外交官。妻が誘拐されたと総領事館に助けを求めてきた邦人男性の話から事件が始まる。彼の妻を誘拐した犯人が香港最大の黒道組織のなかでももっとも厄介な人物であったことから、被害者奪還への道のりは遠く、険しいものとなる。

胸の悪くなるような事件。主人公・水城の燃えたぎる正義感が、どんな苦境をまえにしてもいっさい揺るがないのがすごい。そして、ひたすら苦しい状況が続くなか、思いがけずもたらされた一筋の光。

後半の、外交官特権を駆使したカーチェイスからの怒濤の展開によるカタルシスたるや。このために長い道のりを這うようにして進んできたのだ、とため息がこぼれます。

終盤、東京でのひとときは、それまでの緊張感から解放されたあとということもあり、なんだかほのぼのしていて微笑ましいものがあります。

続編があるようなので、そちらも書籍化されることを期待します。

2021/04/26 20:06

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