先日、平成生まれの二十代の若者と話をしているときに、
「桐乃さんのこどものころってテレビはカラーだったんですか」
と聞かれて、なんだか一気に年を取ったような気分になりました(^^;)
カラーだったよ。
ブラウン管テレビだったけど。
「スマホもガラケーもなかったよ。そもそもインターネット自体がいまみたいに普及していなかったから」
と説明すると、
「想像ができません……」
と絶句していました。
わたしがはじめてインターネットというものを認識したのは、たぶん、栗本薫さんの『仮面舞踏会』という小説を読んだときだったと思います。
伊集院大介シリーズの助手であるアトムくんが主人公で、物語の主な舞台はパソコン通信のチャットの世界。インターネットという、相手の見えない、いわば「仮面舞踏会」と現実が交錯するハラハラドキドキなミステリー小説でした。
ずいぶんまえの作品ですが、ネット社会の病理という点でも現代に通じるものがあるように思います。真相はなかなかエグいものだったような……、うん。