創作論

読みやすいWeb文章の書き方

読みやすいWeb文章の書き方


初級(何も考えず従っておけば間違いない文章規則。紙書籍も共通)

・行頭一文字は空ける。

 改行したら全角スペース。会話は例外。


・感嘆符(!)や疑問符(?)の後は一文字空ける。

 会話文とか! 続くとき!


・括弧の終わりに句点(。)は付けない。

「ソシャゲとかで句点付けてるのは表示制約のせいじゃないかな」


・カギ括弧の中で改行しない。

「会話が長くなる場合はどうするの? って思うかもしれない」

 彼は片眉を上げて、言葉を続けた。

「そういう場合は地の文を挟んでみるといい。行動を描写するとかね」


・点は三点リーダー(…)、音引きはダッシュ(―)を二回重ねる。

 ――特に規定はないけど、標準としての話……。



中級(Web特有の表現など。慣れるまで大変だけど、読みやすくなる)

・カギ括弧の前後には空行を入れる。


 「横書きだと縦書きよりも改行が多い方が読みやすいよ」



・文章は一まとまり毎に空行を入れて分けるとわかりやすくなる。

 こまめに改行した方が読者からすると読みやすいです。

 紙と違ってページ量の制約は無いので改行はガンガンしても大丈夫。

 ただあまり多くても(たとえば毎行挟んだりは)逆に読みにくくなるので注意だ。


 話のまとまり毎に空行を挟むと、話題の転換として理解しやすくなります。

 ここは感覚的なところなので、君だけのルールを見つけ出せ。

 書籍化するときは場面転換以外の空行は全部削除しような。


・文章は短く

 主語と述語をわかりやすくしましょう。

 「AがXをしていた時に、BはYをしていた」よりも、

 「AがXをした。そのとき、BはYをしていた」の方がわかりやすいです。

 長々とした文章は書かず、短く刻みましょう。


・複数人いるときの代名詞は控えよう

 男性が二人以上いるときに「彼が」といってもわかりません。

 多少しつこくなったとしても、名前を書いてしまいましょう。



上級(更なる読みやすさを求めて)

・視点を意識しよう

 FPS(一人称視点)TPS(三人称視点)を使い分けましょう。

 一人称視点のとき、「私は彼を裏切った。彼はそれに心底悲しんだ」という表現は間違いです。一人称の場合語り手の視点で物語が語られる為、語り手がわからない情報は表記しません。例の場合は「心底悲しそうな顔をした」という語り手視点の情報なら表現可能です。他人の感情や、見えない出来事などを表記した場合、読者は混乱してしまいます。

 また三人称視点のときでも、「誰視点での三人称なのか」は意識して書きましょう。

 三人称の場合でも「Aは憤りを感じた」まではよくても、「それに対してBは心から喜んだ」となると視点人物がごっちゃになってしまいます。

 たとえて言えば、映画やTPSゲームのカメラワークを思い出してください。誰の背中から世界を見ているのか、という視点での描写が重要です。


・漢字は迷ったら開け(ひらがなにしろ)

 漢字がたくさんあっても、実は読みにくいだけです。

 もちろんしょうがくせいレベルの漢字が開いていると読みにくいのですが、無闇矢鱈に漢字表現が連続したり、難読熟語を使っても読み返してしまいます。

 その度に読むリズムが阻害されるので、迷ったら開いたり言い換えた方が無難です。

 「難読漢字で表現する」ということもまた表現の一つなので、濫用せずに緩急を付けてここぞという時に漢字を叩き込むようにしましょう。


・ルビは丁寧に振れ

 読者へのサービスと割り切って、常用漢字以外にはルビは振れるだけ振った方がいいです。

 一度振ったら、しばらく(少なくとも20Pぐらい)は必要ないですけど。


・声に出して読んだ時に気持ちいいリズムで

 日本語は5音や7音の組み合わせが気持ち良いとされています(俳句とか)。

 声に出して読みたくなるようなリズムを意識してみましょう。

 よくあるのが、読点(、)が多すぎて、文章としてのリズムがバラバラになり、勢いや文脈への理解が、阻害されていることがあります。

 これを防ぐ為に、(A、B、C……といった並列表記を除き)一文につき読点を使うのは0~1個、多くても2個までにとどめておくのが無難です。

takigutir

2018/05/15 15:57

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滝口流です。滝口、たきぐち等という名前で活動している事もあります。
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