【ツメアマ。】夕記すいさま
時々読んでいる夕記さんのお話ですが、この作品もいつも通りの切れ味と推進力、取っ付きやすさが魅力的で、いかにも夕記さんらしい、大衆受けしそうな、これぞエンタメ小説って印象です。
主戦場としてるっぽい(?)monogataryの読者には受けそうですね。でも、あえて辛口を述べますと、発想とかアイデアを書いているだけとも読めます。あくまで個人的な意見ですが、ストーリーかキャラクタか、どちらかにもう少し重心を掛けて欲しかったです。
【旅の続きを】村山健壱さま
村山さんは男性の心理描写が本当にお上手で、私も男性を主人公に置くことが多いので、いつも村山さんの描写を参考にしています。この物語も、実社会に疲弊した主人公の心象描写が中心です。そして、終始どこかモヤモヤしつつ、先の展開は予測不能。そこから、実直ながらも読みやすい文体で一気に読まされ、鮮やかで目の覚めるようなたった一行の結末へ!滑らかに突き進む筆致と構成はさすが村山さん、トリッキーなだけでなく、しっかりとドラマを書き込まれており、ステキなお話だと思いました。