【大学通りの殺人事件】山岸マロニィさま
『川淵盧壇は解らない』を読んで以来、マロニィさんの作品の大ファンなのですが、その魅力は堅めの重厚な文体なのにどこかユーモラスで、キャラもストーリーもよく作り込まれているところだと思います。その上で、ちょっとした小細工などの小技も秀逸。ここで言うのもなんですが、マロニィさんと銀狼さん、西乃狐さん、若奈さん、しげのぶさん、私好みの作品を書かれる方で、筆力も相当すごくて、密かに応援しています。(密かじゃなくなったw)でも、この作品は、ユーモア要素なしの直球のミステリでしょう。予想外の犯人から恐ろしい結末まで、僅か2,000文字でここまで話を作り込めることは、純粋にスゴイとしか言いようがありません。
最後の◯ー◯ン◯の香り、推理小説にはよく出てくるアレですね。バーモンドカレーじゃないですよ。
【ロカさんの息子】chaconneさま
多分、コレは実話がベースになっていると思います。そこに装飾して、「家族」に焦点を当て、物語を創り込んだ作品でしょう。銀狼さんもレターに書かれておりますが、僅か五枚とは思えない内容です。chaconneさん特有の、短文で矢継ぎ早に鋭く切れ込む文体で進行しますが、テーマが大き過ぎて2,000字にまとめ上げるのは大変だったのではないでしょうか。悲しさとほろ苦さ、そして虚しさと切なさ、色々な感情がごちゃ混ぜになって襲ってきました。読み応えは十二分、すごく重くて深いお話ですので、これから読まれる方は心して向き合って欲しいと思います。三題噺ってこと、忘れて読んでいました……。