【そのコーヒーはどんな味?】佐久田和季さま
最初、有名なドラマがモチーフで、私には理解出来ないのかも、と思いきや、架空の世界での架空のドラマでしたね。そして、架空の有名なシーンやセリフがポンポン飛び出して……入れ子細工のような凝った構造、全部フィクションでアンリアルなのに、いつの間にか、入れ子細工の一番外側は現実の話のように錯覚してしまうという、すごく楽しい試みだと思いました。ストーリーも面白いし、コーヒーに関する専門用語も、言われてみれば色々あって、その使い方がいちいち笑えて、ホント楽しいお話でした。
黒田君もツボりました。で、彼のおかげでいつしか金融や経済の話になって……この話の大きな展開力は、佐久田さんの持ち味ですよね!こういうお金の動きって、知れば知るほど面白いと思います。数字は嘘をつかないけど、嘘つきは数字を使う、なんて言葉もありますが、経済も金融も数字で判断する世界、嘘も誠も数字で見せられるからこそ、その裏にある真実を探る世界ですよね。
知識と経験と情報を駆使して、でも最後は「勘」も頼りにして、考えをまとめるしかありません。「勘定」って言葉の由来も、この辺りからきているそうですね!私も、多分今の仕事していなかったら、数字を使う詐欺師になっていたと思うので、後半は興味深く読ませていただきました。