日々ログ

桐乃さんの新作

桐乃さん、お誕生日なんですね!

おめでとうございます‼


桐乃さんの新作『もつれた糸をほどいて』を拝読しました。


以下、私の(たぶん)見当違いの感想です。後で桐乃さんが御覧になったら、「わかってないやつ」と憫笑される予感をひしひしと感じています……(汗)


この作品は、実験的な作品という感じがしました。本編がほとんど、ちずさんと伊織君の会話だけで構成されていて、通常の小説における会話部分と地の文の比率が、意識的に(あるいは意図的に)崩されているような気がします。


桐乃さんの最近の作品は、特に登場人物の会話の部分にウェイトが置かれていると感じていたのですが、この作品はそれがとことんまで追求されているというか、今回桐乃さんが描かれたかったのは、二人の会話の「快さ」そのもの、それだけだったのではないかという感じがするほどなのです。


いにしえの歌物語——和歌と和歌の間に、「詞書(ことばがき)」という最低限の説明が挿入され、それによって人の感情や思いが「物語」に昇華される――「物語」として成立させるためには「説明」が必要ではあるけれど、それはあくまで副次的なものであって、読者は和歌の言葉の美しさやリズムの快さをこそ楽しみ、味わう。その和歌に当たるものが、この作品では「会話」なのではないかと思うのです。


まるでうら若い公達と、まだ幼さの残る姫(「千寿」というちずさんの本名が素敵です。京の貴族文化そのものずばりではなく、鎌倉の上流武士階級の姫の雅さを感じます)のやり取りのような、かわいらしくも艶めかしい「言の葉」たち……


私は、この作品を拝読しながら、ちずさんと伊織君の会話に、いつまでもいつまでも耳を澄ませていたいな、と思いました。


素敵な作品を、ありがとうございます!(*^^*)

2023/01/28 10:59

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