しおむすびさん
『ファースト・バレンタイン』拝読しました。三題噺であることを忘れるほど、三つのお題がすごく自然に物語を構成していると感じました!
他人と関係を築くというのは、基本的にベクトルを「未来」へ向けているわけですが、それは同時に「過去」の自分と向き合うことでもあるんですよね。
「未来」の自分が「現在」の自分に語りかけるのではなく、「過去」の自分が「現在の自分に……という最後の一行が、この作品の核心という気がしましたし、とても素敵なラストだと思いました(*^^*)
『忘れたい!』は、私の大好きな、しおむすびさんの「記憶」をテーマにした物語。日本近代文学では、こういう人生の一コマを切り取る作品を「スケッチ」と呼ぶことがありましたが、しおむすびさんは美術畑出身の方だけあって、こうした「スケッチ」的作品が本当に巧みですよね‼
それにしても、襖一枚隔てただけの隣に男子ども(失礼!)がいるとは……。
時代と言ってしまえばそれまでですが、今考えると「とんでもないな!」と思う反面、なんだか懐かしい空気の匂いも感じますね…。
こんな「忘れたい話」を蒸し返されたら、しおむすびさんが「そいつを大嫌いになる」のも当たり前!……いや、そうじゃない、「友達」のお話ですよね!(*^^*)
息子さんたちの具合はいかがでしょうか。しおむすびさん、看病などで、きっと大変お疲れのことと存じます。
お読み捨て下さいませ。