これは永久保存版。
転載です:
「野球賭博はなんであきまへんのや」
若い方の刑事が呆れ顔で答えた。
「暴力団の資金源になっとるからに決まってるやろ」
そこで可朝は膝を叩いた。
「それやったら大丈夫ですわ。
わし、トータルで勝ってますさかい、
暴力団の資金を吸い上げてるいうことですわ。
お上から表彰状もろうてもええんとちゃいまっか」
カンカン帽にメガネとちょびヒゲでお馴染み、月亭可朝(つきていかちょう)が、野球賭博で捕まったときのやりとりだという。作家の吉川潮氏の著書『月亭可朝の「ナニワ博打八景」』から引いた。
話芸は一流でありながら、無類の博打好きで艶福家。落語家タレントのはしりでもある。そんな噺家は、昨年春、80年の生涯を閉じた。ベテランの芸能担当記者が述懐する。
「人間国宝の桂米朝に師事した可朝さんは、実は、1979年に野球賭博で逮捕されるまで吉本興業に所属していたんです。可朝さんはよく、自身の逮捕歴もネタにしていました。たとえば旧知の後輩、明石家さんまさんと新幹線で会ったときの噺などは秀逸です」
その一部を再現すれば、
「最近、挨拶がないやないかとさんまに言うたら、
“兄さん、テレビがむちゃくちゃ忙しいねん”やと。
悔しいから、“テレビに出てる言うてもお前はバラエティーやろ。
わしは報道番組に出とる”、言うたった 」
...。
ヤフーニュースにあった。
「週刊新潮」2019年7月11日号 掲載らしい。