インターミッション⓷ ラスト 22/*。
本質と人格の違いについてグルジェフは多くを書き残してくれている。
彼の説明以上に含蓄があるものを自分は知らない。
周りの人々への冷徹なる観察眼。そして一切無慈悲なる自己への内観、その深み。
外へと内へ...。自分を知って初めて他人を理解するのだから。
自己観察はだから重要なのです。
*彼の諧謔精神はボクは大好きですw。肌にあう。
自身が理解するところを信徒に伝える技は芸術的である。
言葉はイメージ喚起力に優れ、言葉少なに、しかし見事に核心を突いている。
マハラジと同じく源泉との接触の中で語るべきを聞くからなのだろう。
いたく気が重いと感じながらも!、
要旨を少し何とか思い出して、自己流でまとめてみよう。
人格はすでに述べたので本質の方:
これは本当の所は何なのか分からない。
生れながらにして持つ自分としての本体ぐらい。
生の本領みたいなもので、中身のことw。
分け御霊、種みたいなものが一番しっくりくる表現。
これは肉体と共に、人格と共に、成長する。
肉体は強靭で運動性能の高いものへと。
人格は賢明にして透徹した[理性/精神/知識/道徳律]の持ち主へと。
キャリアー(輸送機)と
(良心の)外に向けての[ガーディアン/折衝役/サポーター]が本来の役割。
これが理想。
して本質は…
これは単純に善なるものとは言えない。
良心は最初は仄かで頼りないものでしかない。
頭がしっかりと目を覚まして意識を持つと理性的になる。
これと似たようなことが感情センターで起こると良心が目覚めるようになる。
*この辺は本質が覚醒して支配権を握った状態のことを言っているのだろう。
閑話休題、本質は邪悪な性向を持つのも事実。
決して良い子ちゃんだけではない。
もう面倒臭いので魂と呼んじゃう。
魂は両極に染まる/染まりやすい。
生来的に、どちらかの色に強く染まっているように思える。
どっちかへの指向性に強く傾きやすい。
汚らわしきこと、邪なること、倒錯的なることに何故か魅かれる。
手に入れたのが前世なのか何処でなのかは分からない。
とりあえず遺伝的なものと言える。
*または鋭すぎるから。源泉からの波動に敏感に反応/同調してしまうからなのだろう。
改めて、魂は成長する。
何が糧になるか?。
愛と信頼による連帯。
連帯は家族と国と自然と宇宙のどれかであればいい。
読書を通じての誰か良き御霊の持ち主の存在でも良いんでしょ。
そして何よりもパートクドルグ義務の履行。
結果、成長において、本質と人格のそれぞれの出来上がり/それら相互間の関係性は
色々と個体差が出てくる。アンバランスでバランバラン。
もしくは各々高度化されていて、しかも調和が達成されている。
育った環境が大きい。
時代背景からの影響が大きい。
ちゃんとした教育があったかどうか、
愛と忍耐、信頼と贈与、に基づく指導があったかどうかが大きい。
*愛は厳しさとして表されることもある。
まあ一般的に、本質と人格は「お互いを隠し合って」いる状態になる。
適宜状況に合わせて出入りを出鱈目に切り替わり切り替わりしているだけ。
全く統一性/共同性はまったくない。
外に、対外的には、面子つまりは虚栄心を守る為にであればだいたい人格が舵をとる。
たまに、独りの時や信頼する身内では本質が正直な思いで行動したり話したりする。
*実はこれは大変珍しいことなのだ...。
印象において外界を自分より大きくとらえてしまうタイプがある。
もし彼の本質が繊細でかつ臆病にならざる得ない環境で育ち、
更に肉体において恵まれていなかったとしたら…。
このタイプの人間がある時に突如、とても勇気のいる、大変度胸のいる行動をした。
これは人格が行ったのだ。
多分、強力なリーダーシップをとる人間が父親だったのだろう…。
〈続く〉
追補:
本質の成長を『存在の深まりの道』と。
また人格の成長を『知識向上の道』と彼は呼んでいた。
この道は共同して/協調して、成長しないと/進めないといけないと。
もし片一方だけが、すば抜けて先を行ったなら。
間違いなくその人間は何処かでやがて行き詰ることになると。
そして、そこにいることになるのは…、
知ってはいるがどのようにしたらいいのか分からない軟弱な人間。
いろんなことが出来るのだが、何をやったらいいのか分からない愚かな人間。
また知識は存在に依存し、
真に価値ある知識は、その人間の存在が薄っぺらであれば理解は不可能になる。