創作論

物語構造「旧日常→非日常→新日常」の発展1

構造、原理と来たので方法論に移る。
旧日常→非日常⇛新日常の遷移。
そこで最初の矢印に必要なのが、非日常の門である。
異世界へのポータル。
これを担うキャラクターを作るのが手っ取り早いとは思われる。

主人公を非日常の世界へと誘う、そんなキャラクターが出てきたとき、物語は動き出すのかもしれない。

2017/11/04 21:45

物語構造「旧日常→非日常⇛新日常」の発展2

非日常から新日常への遷移。
ここに必要なのは事件の解決である。
そこで主人公の日常がどう変わったのか(もしくはどう変わっていないのか)を表現することで、結末となる。
ではそれを簡単にわかりやすく作るにはどうしたらいいかというと、「世界に虐げられる物」と「世界に反逆する物」を作るとわかりやすく作れる。

「世界に虐げられる物」は平たく言えば「不幸になる人」だ。
ここでは仮に「悲劇のヒロイン」と仮称するが、悲劇でなくてもいいし女性でなくてもいい。(ただそういう立ち位置として、わかりやすい呼称をしている)
悪人がいたらそれに虐げられるヒロインでもいいし、悪人がいなくても生贄が必要だとか、ともかく「放っておいたら不幸になる存在」だ。(不幸の価値基準については、納得できる前提を用意できるかにかかっている)

つまり「誰(何)かが(受け手の目線で)不幸になる話(世界)」をまず作れば良い。

そしてそこにヒーローとして主人公を配置すれば完成だ。
主人公はその理不尽な不幸に対して、何らかの対抗手段を持つ、もしくは手に入れる。
そうなれば後はその配置を考えるだけで「物語」が完成するのではないだろうか。

2017/11/05 19:01

トークメーカー座談会の至道先生と架神先生の話を聞いて考え、実践した「面白い話を作る方法」

「面白い話」……と簡単に言っても、表現する選択肢は無限にあるので、「何を表現したら良いのかわからない」という壁にぶつかる。
自分の場合は新木先生、三木先生、K先生のWeb作家座談会で「最低条件」を提示されたから、その条件に当てはまる自分の「面白い」をぶつけた。
しかしその前提としてあったのが、至道先生の「稀な人生経験があれば本は読まなくても良い」「たとえば実用書を一本、小説化してみる」と、架神先生の「自分の感じた創作からのエネルギーを、そのまま読者に伝える」ということ(要約)

この2つは次のことを意味する。

①「面白い物」という概念は、創作にかぎらずあらゆる世界に散りばめられているということ
②創作の世界でも無限の「面白い物」が溢れており、感動(感情が動く仕組み)を別の方法再現することができればそれは「オリジナル」だということ。


自分が行動して、生きていて遭遇したあらゆることが創作の糧だということ。
たとえば空を見て「晴れやかで心地よい」と感じたなら、それを表現すれば文学になる。
それを読者に伝えるということで、それは作品になりえる。
もちろんどうでもいいことを表現したところで、読者を感動させられなければ意味はない。
しかし細かなことにでも感動の芽はあるのだと感度は高めておくべきだろう。
芽さえ見つければ、後は自身でそれを補強して育てあげるだけだとは思う。


同じように、本とは「面白い物」という情報が込められたものだ。
たとえばWikipediaでも読んでいて面白い項目はある。
それらを読んだ時に感じた感情を(面白いに関わらず、気持ち悪いとかでもよい)そのまま読者に伝えたのならば、創作の第一段階は達成していると言えるだろう。


このように物事への感度を高め、「自分というフィルタを通して、感動の質を変化させ、アウトプットする」ということが創作に対してのアクションなのではないだろうか。

2017/11/06 14:11

面白さとは、期待の充足と予想の裏切りである。


そこからもう一歩、面白さに踏み込む。


読者は作品タイトル(もしくはそれに準ずる情報)から、その作品に対して予想と期待を抱く。

その末、「期待は充足されたか」「体感したいベクトルは保たれたまま、物語の展開は予想の範疇より上を維持しているか」を精査する。


このとき、物語に馴れた者は後者のハードルが上がる傾向にある。

ただ実際にライトユーザーと呼ばれるような大多数の読者のハードルは低い。


それよりも重要なのが前者の期待の充足。

物語が読者の求める楽しさを充足したとき、それは王道ストーリーとして容認される。


予想の裏切りはおまけ程度で考えて良い。

2017/12/21 03:32

最近の知見。

王道は、ウケない。


正確に言うなら「王道オンリー」はオタク界隈にはウケない。

ただし昨今はオタクの定義が拡大しているというか、国民一億層オタク化みたいな現代になってるという点は留意する必要がある。


「元来オタクの求めるというものがオルタナティブな物」という言説を見たのが発想元。

メジャーな物を求めるのではなく、主流から外れたものを選ぶのが元来のオタクの生態であると言われると、たしかにそのようなところはある。


メインターゲットとなる層は今までとひと味ちがう物を求めるので、そこを見据えて既存を交えつつも「新たな異端」を創作していくのが良いのではないだろうか。

2018/01/08 19:43

メインとすべきターゲット層はマス、つまりライトな大衆層なので技術力を鍛えすぎてもあまり意味はない。

もちろん技術力がないと表現できない事柄はあるので、不要ではないしあればあるほど良いが、傾倒してもその技術をマスに理解されることはない。


「技術力」と同じぐらい「発想力」が必要だ。


発想力は

市場や資料を正確に調べる「分析力」

いかに手に取る前から読者を惹きつけられるか「宣伝力」

モチベーションを維持する「創作体力」

のように構成されると思うのだけれど、兎角創作者は技術力に目が行きがち。

2018/01/24 15:23

それぞれの項目は


技術力

 - 文章表現力

    日本語能力や比喩

 - ストーリー構成力

    面白いストーリー

 - キャラクター構築力

    魅力的なキャラクター


分析力

 - 市場調査力

    どんなジャンルが評価されているか

 - 既成作品理解力

    作品のどんな部分が評価されているか

 - 資料捜索力

    必要な情報を迅速に探すことができる力


宣伝力

 - 自作品認識力

    自作品のどこを押すべきか

 - 言語化力

    どのように表現してアピールするか

 - 読者共感力

    読者はそれを見た時どう思うか


創作力

 - モチベーション維持力

    創作をいかに続けるか

 - 基礎体力

    早寝早起き、姿勢等

 - 生活力

    売れない時どのようにマネタイズしていくか


のように分かれて、訓練する方法は全部違うけど、全部同じぐらい重要だよね、という話。

比喩表現とか拘って他を蔑ろにするのは作家・クリエイターとしては失格ではないかという投げかけでもある(暴論)

もちろん、詩がメインだったり、他が十分に出来ているなら別

2018/01/24 15:30

・ガワと中身は相反してはいけない


タイトルや表紙と中身が食い違ってはいけない。

なぜか?

読者はタイトルと中身を見た瞬間、中身を予想し期待する。

そして中身を読んだ時に、ガワから受ける印象と相反すると「期待外れ」になる。

期待外れの作品は、面白さにマイナスのバイアスがかかってしまう。


表紙によって得られる読者の期待は、中身によって保証してやらなければいけない。

2018/01/30 15:37

読みやすいWeb文章の書き方

読みやすいWeb文章の書き方


初級(何も考えず従っておけば間違いない文章規則。紙書籍も共通)

・行頭一文字は空ける。

 改行したら全角スペース。会話は例外。


・感嘆符(!)や疑問符(?)の後は一文字空ける。

 会話文とか! 続くとき!


・括弧の終わりに句点(。)は付けない。

「ソシャゲとかで句点付けてるのは表示制約のせいじゃないかな」


・カギ括弧の中で改行しない。

「会話が長くなる場合はどうするの? って思うかもしれない」

 彼は片眉を上げて、言葉を続けた。

「そういう場合は地の文を挟んでみるといい。行動を描写するとかね」


・点は三点リーダー(…)、音引きはダッシュ(―)を二回重ねる。

 ――特に規定はないけど、標準としての話……。



中級(Web特有の表現など。慣れるまで大変だけど、読みやすくなる)

・カギ括弧の前後には空行を入れる。


 「横書きだと縦書きよりも改行が多い方が読みやすいよ」



・文章は一まとまり毎に空行を入れて分けるとわかりやすくなる。

 こまめに改行した方が読者からすると読みやすいです。

 紙と違ってページ量の制約は無いので改行はガンガンしても大丈夫。

 ただあまり多くても(たとえば毎行挟んだりは)逆に読みにくくなるので注意だ。


 話のまとまり毎に空行を挟むと、話題の転換として理解しやすくなります。

 ここは感覚的なところなので、君だけのルールを見つけ出せ。

 書籍化するときは場面転換以外の空行は全部削除しような。


・文章は短く

 主語と述語をわかりやすくしましょう。

 「AがXをしていた時に、BはYをしていた」よりも、

 「AがXをした。そのとき、BはYをしていた」の方がわかりやすいです。

 長々とした文章は書かず、短く刻みましょう。


・複数人いるときの代名詞は控えよう

 男性が二人以上いるときに「彼が」といってもわかりません。

 多少しつこくなったとしても、名前を書いてしまいましょう。



上級(更なる読みやすさを求めて)

・視点を意識しよう

 FPS(一人称視点)TPS(三人称視点)を使い分けましょう。

 一人称視点のとき、「私は彼を裏切った。彼はそれに心底悲しんだ」という表現は間違いです。一人称の場合語り手の視点で物語が語られる為、語り手がわからない情報は表記しません。例の場合は「心底悲しそうな顔をした」という語り手視点の情報なら表現可能です。他人の感情や、見えない出来事などを表記した場合、読者は混乱してしまいます。

 また三人称視点のときでも、「誰視点での三人称なのか」は意識して書きましょう。

 三人称の場合でも「Aは憤りを感じた」まではよくても、「それに対してBは心から喜んだ」となると視点人物がごっちゃになってしまいます。

 たとえて言えば、映画やTPSゲームのカメラワークを思い出してください。誰の背中から世界を見ているのか、という視点での描写が重要です。


・漢字は迷ったら開け(ひらがなにしろ)

 漢字がたくさんあっても、実は読みにくいだけです。

 もちろんしょうがくせいレベルの漢字が開いていると読みにくいのですが、無闇矢鱈に漢字表現が連続したり、難読熟語を使っても読み返してしまいます。

 その度に読むリズムが阻害されるので、迷ったら開いたり言い換えた方が無難です。

 「難読漢字で表現する」ということもまた表現の一つなので、濫用せずに緩急を付けてここぞという時に漢字を叩き込むようにしましょう。


・ルビは丁寧に振れ

 読者へのサービスと割り切って、常用漢字以外にはルビは振れるだけ振った方がいいです。

 一度振ったら、しばらく(少なくとも20Pぐらい)は必要ないですけど。


・声に出して読んだ時に気持ちいいリズムで

 日本語は5音や7音の組み合わせが気持ち良いとされています(俳句とか)。

 声に出して読みたくなるようなリズムを意識してみましょう。

 よくあるのが、読点(、)が多すぎて、文章としてのリズムがバラバラになり、勢いや文脈への理解が、阻害されていることがあります。

 これを防ぐ為に、(A、B、C……といった並列表記を除き)一文につき読点を使うのは0~1個、多くても2個までにとどめておくのが無難です。

takigutir

2018/05/15 15:57

『流行り』とは何か



ただ単に「みんなが書いてるもの」ではない。

流行りとは、現実世界に対する欲求不満へのアンチテーゼである。


展開やキャラクターに、現実で不足している欲求を回収できる要素があれば、それは多くの人に受け入れられることになる。

それがなければ、ただ単に奇抜なだけの設定に終わってしまう。


現実で義憤が抑圧されているなら、夜神月のような粛正者・正義の執行者としてのキャラクターに魅力を感じることだろう。

依存心が抑圧されるなら、ナルメアや源頼光のようなキャラクターに魅力を感じるだろうし、加虐心が抑圧されたなら、輿水幸子や夢見りあむのようなキャラクター性に魅力を感じることだろう。

現実が厳しいものなら、けものフレンズのように優しさと協調にあふれた展開に魅力を感じるかもしれない。


創作における『流行りの魅力』とは何か。

それは現実世界の不満を映す、鏡なのである。


逆説的にいえば、『魅力』とは流行りのこととも言える。


そしてその『魅力』は「わかりやすい形で明示化され、そしてブレない」作劇をすることで、ストレートに伝えることができる。

きちんとした社会の分析ができたとき『魅力』を生み出すことができるし、それが上手く伝わっていないと感じたなら『キャラがブレていないか』や『わかりやすすぎるぐらいに明示されているか』ができているかを確認すると良いだろう。

2019/06/02 02:53

『魅力』とは何か。


↓から、「社会の不満を解消する要素」のことである。

2019/06/02 14:31

新たな魅力を創出するにはどうすればいいのか?


「社会の抱く不満」を擬人化したキャラクターを作る、もしくは物語を作るべきだろう。ズートピアなどは社会の不満を反映した架空の世界を作りあげているので参考になる。


もしくは、既存の物語・キャラクター・流行りの、アンチテーゼを作ることだ。

そもそも「社会の不満」へのアンチテーゼを人々は『魅力』と感じているので、そうして創出された他の存在に対してのアンチテーゼはまた別の人々の『魅力』になりえる。

2019/06/02 14:54

プロフィール

滝口流です。滝口、たきぐち等という名前で活動している事もあります。
Twitter @TakigutiR

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