海外縫製だから?
コートは、必ず、襟型を聞かねばならない。
うむ。まあ、いろいろあるからな。
「道行コート」
と、書いてある伝票があった。そのまま回したら、上から呼び出しを食らった。曰く。
「襟型が書いてない」
え? 襟型、書いてあるよね。「道行」って。
「それは、襟型ではない。道行コートってだけで、道行衿かどうかはわからない」
いや、道行コートは、道行衿だから道行コートっていうんだよ。道中着衿の道行コートなんて、あるわけねーだろ。
「照会しろ」
……。こういう、照会が一番いや。例えば、そこに米が研いであって、炊飯器に入れてあるのに、これは白米かどうか聞いてこい。って言われてるようなもんじゃね?
なんで、そんな当たり前のことを、わざわざ、電話して聞かなきゃいけないわけよ?
と、思って居た頃が、私にもありました。
「道行コートなんですが、道行衿で、よろしいですか?」
と、聞いたら、
「は? 違うよ。道行コートでしょ。着物衿に決まってるじゃん」
とか。
は? は、こっちだ。
道行は道行衿だから道行コートなんだよ。道中着は、道中着衿だから道中着っていうんだ。着物衿の道行なんて、あるわけねーだろ。それは、道行じゃなくて、それこそ、着物衿コートっていうんだよ。あるいは、代わり衿コート(着物衿)。
雨ゴートも、道行衿の対丈を雨ゴートっていうんだよ。着物衿の雨ゴートは、対丈の着物衿コートっていうんだ。道中着の対丈は身幅の問題で、お勧めしないけどね。
そういうの、海外縫製だからって話じゃないよね。基本中の基本だよ。
基本も知らねーで、和裁を語るなよ(怒