創作記録(2018/4/1~10/31)

続・1000万値上げします。

なぜか知り合いから多々反響のあった『1000万値上げします。』の続きを、皆が色々言うので、ちょっと頑張って書いてみます。


簡単に経緯から説明しますね。

この区分所有は1LDKです。都心の交通の便が良い場所にあり、自分も2年ほど住んで重宝しました。まずまず新しい物件です。


この物件をぼくが最初に掴んだのは、東日本大震災の数日後です。大震災のニュースで世間は一色に染まり、不動産がまったく動かなくなったタイミングがありました。商業活動の自粛ムードも強烈であり、世間は凍り付いていました。

でも自分は、地盤良好な場所で、RCの新しい造り、建築会社が販売にも何らかの形でコミットした物件であれば、直下地震が来てもまったく問題ないと踏んでいて、「不動産市場が止まった今こそが買い」と思って色々な物件を懸命に物色してみました。ぼくが不動産を購入する際にとくに重視しているデータは、関東大震災の震度表および被害状況です。実に優れて地盤の優劣を描き出しています。


とにもかくにも、自分基準を満たしたものの一つが、この物件でした。

大震災のニュースのなかで買い付け申し込みを入れまして、ほぼほぼこちらの指値に近いところで購入することができました。3500くらいですね。


そして、ぼくが2年ほど住みまして、その後に別のところに物件を買ったので自分はそちらに移動し、こちらは賃貸に出しました。5~6年くらい賃貸で運用したんですかね。ちゃんと計算していませんが、賃料収入はたぶん1000近くあったように思われます。ただ、個人的に家賃が2年分浮いたことによるプラス、管理費や固定資産税を支払ったマイナスがあるので、運用益はこの通りではありませんけれども。


そうこうしていて、この都心だけ加熱した不動産相場になり、つい最近、今回4000近くでお譲りすることができました。大変ありがたい限りで、お相手様には感謝ばかりです。

売却しようと思ったのには何一つ深い理由はなく、「この辺が相場の頭だから一つ売っとくか~」くらいのノリで、別に売れなくてもいいと思っていたら即売れたものです。

そして今回、これが5000で転売されているということになります。このこと自体は、何ら不快などではなく、むしろ良い取引につながってほしいと感じています。企業相手だと無理筋ですが、たしかに一般の方々相手なら売れないこともないのかなという気もいたします。



閑話休題。

当方が売却したときには、クリーニングだけ入れて、何もない状態で売却させていただきました。

これが今回の転売においては、部屋のなかが大変すばらしく飾り付けられており、美しい家具なども適切に配置され、入居後のイメージが即思い浮かべられるような売り出し方になっているようです。

この違いはとても興味深く、少し考えを深めてみたいと思います。


飾り付けは、明らかに、女性層のみをターゲットに絞り込んだ販売手法となっています。たしかに女性にとって魅力的に映るような家具や絵画が整えられています。

自分が思うところ、男女の脳構造は完全に別物であり、別の生命体といってもそれほど大げさではなく、この点に言及してみたいと思います。


男なら、将来の需要とか、他物件との比較、収益還元法などを持ち出して、あらゆる角度から理屈をこねまわし、ようやく自分を納得させることができた段階において、価格交渉などの末に購入に至るはずです。

しかし女性は感性や直感を大切にしますから、入居後の暮らしのイメージなどを思い描くことに重きを置いており、相場としてそれがどうなのかということは二の次の場合が多いのではないかと推察いたします。


通常、女性は身の回りのことをくまなく見ておりますし、いま目の前にある生活のことに対する注意とか、ごく身近な人との間での協調性などが重視されるために、こうした理屈面での投資戦略はあまりお得意ではないのかなと思っております。女性は毎日の暮らしや、日々の会計をお任せするには非常に能力が高いと思われます。FX投資などは、日本女性が「ミセスワタナベ」などとされ固有名詞化されていますが、毎日変動する為替などの目先の取引にこそ、女性が向いている一つの証でもあるのかなと考えます。

一方で男性は、大して身の回りのことに注目しない傾向があり、周りの視線なども気にならず、ずぼらなタイプも多いですが、概して中長期の視点でものを見ていますので、この手の投資については男性のほうが適しているのではないかと考えるところです。男はロマンチストであるがため、夢や理想など遠大なほうにしか目がいっておらず、目先や周囲のことは半ばどうでもいいと考える傾向がありそうです。


ならばこそ、です。

言葉は悪いですが、こうした大口の出費を促す相手として、男性は騙せないのです。そして女性は、この手の大きな案件においては購買につなげやすいお相手様でもあります。高額商品のメインターゲットは基本的に女性ですが、女性にしか買ってもらえないからです。


これまた超身近な例を挙げますと、妹夫婦さまがなかなかの物件を購入しています。

やはり購入を決めたのは妹のほうでした。ぼくは、「今はやめたほうがいい。自分が適切な物件を見つけるから」と何度も伝えたのですが、購買に踏み切ってしまったのです。物件自体は良いものなので、購入価格はそこまで悪くもなく、相場下落時も大きく購買価格を割り込むことは(たぶん)なさそうであるため、事なきを得たとも言えます。ただ、これは単にちょっとしたラッキーだっただけで、大きく損はしないが、そこまで得もしないという普通以下の取引だったと思います。

自分ならばちゃんと投資として十分に見合うものを選定してあげることができたのではないかとも思っております。

この例を考えてみても、女性がいったん高額商品に感性が動かされてしまえば、ごく身近な女性にすら何を説明しても無駄骨になります。


こうした場合に、問題の主軸を占めるのが、何千万円の住宅ローンという、人生に大きな楔を打ち込む債務です。ぼくの場合には法人での売買が主なので住宅ローン関係ありませんけれども、多くの方は住宅ローンが必要になるのではないでしょうか。そして夫婦においては、購入を決めるのは妻のほうでも、その住宅ローンを背負わされるのは夫のほうであるわけです。誠に背筋が凍り付く話で、恐ろしいことだと思います。


ここで穿った見方をさせていただきますと、セロトニンが適正に生産できず不安心理が増幅されがちな女性の方々は、その不安心理を解消する一つの重要な手段として、心の奥底では損かもしれないとわかっている住宅ローンという檻のなかに、パートナー男性を閉じ込めて二度と出られないようにしてしまうのではないか……などと愚考してしまうぼくは世の女性に対して申し訳なく、女性の方々に謝罪し、切腹する準備ができています。

なんとも悲哀に満ちている話だとも思いますが、たぶんそれが、この日本という国においてそこかしこで日常的に繰り広げられている普通の人生ドラマなのかもしれませんね。

2018/08/09 20:15

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