そんなわけで手術です。
普通は手術一回で終わるんですが、私は一回で取りきれなくて追加手術があって二回入退院してます。
これって標準ではないのでだいたいの人の参考にはならない。
と、思う。たぶん。
何回も出たり入ったりは金銭的にも肉体的にも面倒くさいことなので、手術なんて一回で終わることを祈るよ! そっちのほうが標準だよー。
でもまれに「一回でがん細胞がとりきれないこともあるんだ。へー」って思って「そんなこともあるんだね」で私の記録を読んどいてください。
とにかく日帰り手術も含めると私は三回胸を切り、それでも「断面陽性」(切断した箇所にがん細胞がある=がん細胞を手術ですべて取り切れていない)で「筋肉とかの、取ってしまうと困るところは取れないから、これ以上は削れないぎりぎりまで削って、それでも取り切れなかったので、後は焼いておいたから」とあとで言われました。
「焼くってなにしたんですか」
って聞いて、答えてもらったはずなのだがもう覚えてない。メモしとけばよかったが、あまり覚えてないってことは私にとっては「へー」程度の、あまりときめかない方法だったんだろう……。
アロハの医者がガスバーナーで私の身体の内側をジュージューしている光景が脳裏に浮かんだけどそういうのではなかったことだけは確かだ!
で、入院で誰もが確実に重宝するのであろうものが
前開きブラジャー
だと思います。
「胸がほぼなくなるんだからブラジャーいらないのでは」という友だちもいたんだけど、傷口がこすれて痛いので布地一枚をあてて保護するためにブラジャーあったほうがいいと思う。けっこう痛い。むきだしだと。
あと私は左だけだったので右の乳はそのままだからブラがないと右は右でこすれて邪魔でしたので。
同じ手術をしても、しばらく痛くて手があがらない人もいるようなので(私は比較的すぐに手があがったのでそうでもなかった)前開きのブラとパジャマが一番いいと思うな。
やってみないと自分がどれくらいの時間で回復するかわかんないので。
他に入院で重宝したのが「使い捨て保湿と美白の美容パック」ですかね。どうしてか、入院中は、やたら肌の手入れをして過ごしていた。病室は乾燥してるってのもあるのでたくさんの美容マスクを持って入院し、お肌をつるつるふくふくにして退院帰宅しましたよ。
そして話が前後してしまいますが、だいたいがリンパ転移を調べるのもかねてリンパ郭清をするので、術後以降「ワイヤー金属の入ってるブラジャー使用禁止」になります。
私は術後の一年間くらいはずっと前開きブラを使い、使い倒すくらいにけっこうボロボロにしたので、前開きブラは二枚買っといていいと思うなあ。たぶん一枚は用意するようにと病院側から指示があるように思うけれど。
そこからユニクロのブラトップなどに移行してますが、その後、どのブラにするかは好みですし、胸の残り度とかいろいろありますもんね。
今日はブラジャー連打の日記だな……。
ところで。
自分が乳がんになってブログを検索していたときに「あまりにも乳がんについてのブログが人それぞれすぎる」と混乱したのですが。
なってみて、わかった。
あまりにも「人それぞれ」だということが!
この、自分の乳がんの記録を、うろ覚えなながらもブログとして残しておこうと思ったのも
「自分の身の回りの人たちも、私も、乳がんの過程や術後の様子などがそれぞれすぎた」
「互いに必要なものもけっこうまちまちだった」
「治療方針もステージや細胞によってばらばらなので最初のうちはなにを基準にして考えるのかもよくわからない」
ということと
「必要な情報をたくさん書いてくれた人のブログが途切れてしまう怖さ」
とのミックスからです。
抗がん剤のこととかね、ウィッグとかさ、私にとって、とてもわかりやすかったり有効だったりの最新の情報を、ときにおもしろく笑えるブログを書いてくださっていた人たちの記事が突然消えることがあった。
元気になって日常生活を書く記事の比率が増えていき、だんだん乳がんの記事が消えていって……でブログがふわっと消えていくのならそれはいいのです。
そうじゃなくて闘病しててオンタイムでふいに消えることがあるのですよね。
私の友だち(やはり乳がんで医師に「余命、一ヶ月」と言われてからもう十年以上生きていて、しかも治療のあいまに資格をとって、いまはある職場の責任者としてバリバリ働いている。そう、余命なんて、案外、あてにならないものですよ!)が医師に厳しい宣告をされた直後に「友人とかさ、元気づけようとか勇気づけようとしてだろうけど、ネットで情報調べたり、闘病してる人のブログ読むといいんじゃないって私に言うんだ。でもさ、途切れるブログ見たら、勇気が萎むんだ。だってそれってその人、闘病して、がんばりつづけて、それでいまはもう『ここにいなくなった』っていうしるしだもん。抗がん剤についてとか詳しく調べてる人のそういうの、見たくないもん」って言っててさ。
それ聞いたら、友だちに「自分でなにか調べろ」みたいには言えないですよ。
私は言えなかったなあ。
そういうブログがたまにある。
ふいうちで、そういうふうになるのを見たくないっていうオンタイム治療中の乳がん患者さんの気持ちもわかるなあと思うのです。
で、ひるがえり
私は手術してから六年経過しているのだ!!
他の癌だと五年で完治扱い。
乳がんはそれよりちょっと長くて十年で完治扱いです。
あと四年なのね。
「まあ、いまから私が記録を残してポチポチとやっていって、ブログがふいに消える可能性は低いだろう」
と思った。
思ったから癌の記録を書きだしました。
だから、ブログすべてを途中で飽きてしまってきた私ですがここに関してだけは「完治しました。十年たちました。お疲れさん」というところまでポチポチとただひたすらどうでもいいことを含めて書いていこうと決めている。
今日もまたうすぼんやりとした日記ですが。
明日以降は自分の癌のステージその他治療についてなどを書けたら書いていこうかなーと思います。
あと乳房再建はしてないっす。
若かったら考えたかなあ。もう、いい年なんで、いいかなーって。そこにお金かけるほど私の乳に価値をみいだせなかった。そういうの考えてる人は、乳がんの手術のときに再建の手術を同時にやるといいってどこかで見た気がするけど、どうなんだろう。
調べてないので、ここはぼんやり……。