湖畔で読書 Impression of a book

高田宏『北国のこころ』(NHK出版)

自らを「雪国人」と呼ぶ作家の高田宏が、好きな作家や詩人(みな北国のこころを表現している)を一人ずつ取り上げ、作品紹介をまじえて語る随筆集。島崎藤村、石川啄木、宮澤賢治、太宰治などの、知られざる一面を鮮やかに切り取り、作品を深く掘り下げています。何より素敵なのは、上品で、知的で、わかりやすい、高田先生の文章です。高田先生は作家になる前は編集者でした。書き手として素晴らしいだけでなく、優れた編集者だったのだろうと思います。私は縁あって、高田先生に、たまに書き上げた作品を読んでいただいていました。先生はいつも励ましてくださり、それが支えになって、私は書き続けてくることができました。すでに亡くなられ、もう地上では会えないけれど、先生の文章はいまも多くのことを学ばせてくれ、導いてくれると感じます。

2018/05/30 17:46

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プロフィール

文筆家。北海道大学農学部卒。月刊誌編集長を経てフリーに。2009年プロテスタント受洗。真帆沁での作品発表のほか本名の後藤しんこで編集・執筆・校閲歴30年超。近年はWEB媒体のアドバイザリーのお仕...

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