ケント・M・キース『それでもなお、人を愛しなさい』(早川書房)
著者が半世紀ほど前に、自分よりわずかに若い下級生たちに向けて書いた「逆説の10カ条」が、本人も知らないうちに人から人へ伝えられ、やがてマザー・テレサのもとへ届き、彼女の活動のスタッフが施設の壁に書いていたのを、めぐりめぐって著者本人が知り――というエピソードを読むだけでも、本書のメッセージが宿している真実の強さを知ることができます。本書に出合ったとき、ちょうど私はへこたれそうになっていたのですが、この10カ条に励まされ、勇気をもらいました。