湖畔で読書 Impression of a book

ル・クレジオ『向う側への旅』(新潮社)


「新潮・現代世界の文学」というシリーズの一冊として、1979年に出版された本ですが、すでにamazonにも新品はないようですし、もう古書でしか手に入らないかもしれません。ノーベル文学賞作家であるル・クレジオの作品のなかで、いちばん好きなものをあげるとしたら、私はこれです(まだすべての作品を読破したわけではないので、今後変わるかもしれませんが……)。

不思議な少女ナジャナジャと仲間たちの不思議な旅の物語です。大好きな箇所を引用します。

「君は地上にいてひとりぼっちで寒い。夜は長い、元気をだし給え! 元気さえ出せば、星にまで行けるだろう。」

この部分を読んだ当時、どれだけ励まされたことか。そしていまでも励まされます。

小さな紙に書き写して、手帳に挟んで持ち歩いています。

2018/09/18 18:22

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プロフィール

文筆家。北海道大学農学部卒。月刊誌編集長を経てフリーに。2009年プロテスタント受洗。真帆沁での作品発表のほか本名の後藤しんこで編集・執筆・校閲歴30年超。近年はWEB媒体のアドバイザリーのお仕...

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