ル・クレジオ『向う側への旅』(新潮社)
「新潮・現代世界の文学」というシリーズの一冊として、1979年に出版された本ですが、すでにamazonにも新品はないようですし、もう古書でしか手に入らないかもしれません。ノーベル文学賞作家であるル・クレジオの作品のなかで、いちばん好きなものをあげるとしたら、私はこれです(まだすべての作品を読破したわけではないので、今後変わるかもしれませんが……)。
不思議な少女ナジャナジャと仲間たちの不思議な旅の物語です。大好きな箇所を引用します。
「君は地上にいてひとりぼっちで寒い。夜は長い、元気をだし給え! 元気さえ出せば、星にまで行けるだろう。」
この部分を読んだ当時、どれだけ励まされたことか。そしていまでも励まされます。
小さな紙に書き写して、手帳に挟んで持ち歩いています。