『ブックガイド』に1冊追加

『【ブックガイド】人生は、断片的なものでできている』に、ウィリアム・フォークナー『エミリーへの薔薇』を追加しました。

「ノーベル文学賞を読んでみよう」と題した章の2話目、ヘッセとカミュの間に挿話しています。

(受賞年順に並べています)

お時間のございます時にお読みいただけましたら、さいわいです。


『フォークナー全集8 これら十三篇』(冨山房)から引用していますが、『エミリーに薔薇を』(中公文庫)のほうが手に入りやすいと思います。電子書籍版もあります。


『エミリーへの薔薇』はミステリ仕立ての物語なので、ネタバレせずに3000字以内(注釈除く)でご紹介しています。

いちばん面白いところは結末なのですが、そこを言わずに、作品の面白さを伝えるってむずかしいですね。なんとかお伝えできていれば良いのですが……。


『これら十三篇』に収録されている短篇「あの夕陽」も名作として名高いです。

(アメリカ国内での文学的評価は、「あの夕陽」の方が圧倒的に高いです)

「エミリーへの薔薇」と「あの夕陽」、両方紹介したかったのですが、そうすると字数がすごいことになってしまうので、悩んだすえ、今回は「エミリーへの薔薇」にしました。

「あの夕陽」はキリスト教信仰が背景にある物語なので、多くの日本の読者は、アメリカの読者が感じたほどの感動を味わえないのでは? と思ったり……

聖書抜きでの説明はむずかしいですが、名作であることはまちがいないので、「あの夕陽」についてもあらためてどこかで書きたいなと思っています。



フォークナーとマーガレット・ミッチェルが同じ時期に生きた作家というのは、意外と知らないかたも多いのではないでしょうか。

しかし、アメリカ文学史の教科書"An Outline of American Literature"(アメリカ文学外観)では、フォークナーの章はあるのに、マーガレット・ミッチェルの章はないのです。

(ちなみに同世代の作家でフィッツジェラルド、ヘミングウェイ、スタインベックの章はある。後の世代の作家だと、サリンジャー、ソール・ベロー、アイザック・バシェヴィス・シンガー、ピンチョン、トニ・モリスンなど)


やはりアメリカ文学史においても、純文学的な作品と娯楽作品(エンタメ)は峻別されているということなのでしょうか……?


2024/04/22 21:35

南ノさん
南ノさん、お忙しいなかでわざわざお読みくださり、コメントまで寄せていただき、本当にどうもありがとうございます!

今回はあらすじ含め5話構成と長くなってしまい、自分でもまとめていて長いなと思いつつも、難しい題材なので説明や引用をあまり削ることができず……

こうして読んでいただけて、感謝の気持ちでいっぱいです!!


そうなんです、『テロル』は読書会メンバーの感想が見事に分かれた作品でした。

「面白くない」とか「失敗作だと思う」とか、辛口コメントもけっこう出されましたね。

そうは言っても、皆さん、しっかり最後まで読み通してきているので、すごいなといつも思っています。


多くの人は面白くなければ、途中で読むのをやめると思うんですよね。

読書会の皆さんの場合、課題本だからということもあると思いますが、「面白くない」と思っても途中でやめずに、最後まで読んだ上で、どこが問題点だったのか考えるところがさすがだなと思っています。


かく言うわたしも、本書の結末は納得がいかないと思いました。

プロローグとエピローグがつながっている構成から考えるに、作者は最初からこの結末にしようと思って書き始めたのでしょうが……。

おかげで読書会の最後のほうでは、もし主人公が死ななかったらのIFトークで盛り上がってしまいました。



メロドラマやミステリといったエンタメ要素は、物語を進める原動力、読者にページをめくらせる力になるので、小説にとってなくてはならないものだと思います。

そのエンタメ要素と、作品を通して作者が伝えたいテーマ(本書で言えば、パレスチナの抵抗運動の立場に立った台詞)のバランスをとるのは難しいものですよね。


ノーベル文学賞作家のオルハン・パムクの『雪』も、あえてジャンル分けすれば恋愛小説の棚に入れてもよい物語だと思いますが、作中で語られている歴史観(トルコの近現代史)や宗教観(スカーフ論争)、人種差別の問題などが奥深いんですよね。

ストーリー(ミステリとメロドラマ)を追いたいだけだったら、こういう説明的台詞はぜんぶ無駄話に思えてしまうので、読み飛ばす読者も多いのではないでしょうか。

作者が本来書きたいのは、その説明的台詞の方なんでしょうけども……。


パレスチナ出身のガッサーン・カナファーニーの『ハイファに戻って』も、無理やり小説にしている感があってですね。

作者が伝えたいことが前面に出すぎていて、途中の台詞が、論文を読んでいるような感じを受けました。そこは全部台詞で言うのではなく、登場人物の行動(ストーリー)で表現してほしいなと思ったのでした。

とは言え、そう不満に思っているのはわたしだけかもしれないです。『ハイファに戻って』は現代パレスチナ文学で最も有名な作品と言われていますし、映画にもテレビドラマにもなっていますので。


今回の『テロル』の話に戻しますと、結末に不満が残りましたが、たくさんのことを学ばせてくれた作品で、読んでよかったです^^


2024/04/08 21:10

『ブックガイド』に1冊追加
『【ブックガイド】人生は、断片的なものでできている』に、アティーク・ラヒーミー『悲しみを聴く石』を追加しました。

「本で世界とつながろう」と題した章の最後に追加しています。


アティーク・ラヒーミーはアフガニスタン出身の作家で、『悲しみを聴く石』はゴンクール賞受賞作です。

ミステリ仕立てということもあり、ネタバレなしで3000字以内でご紹介していますので、どんな結末を迎えるのか、ぜひ実際にお手に取ってみてほしい1冊です。



わたしが本書を最初に読んだのは、2012年9月の読書会でした。

今回、久しぶりに読み返してみて、男性作家と言われなければ分からないほど、女性心理を見事に描いていると思いました。


ソ連によるアフガニスタン侵攻は、1978年に勃発して1992年までつづきました。

作者がフランスに亡命したのは1984年、この戦争に真っ只中に当たります。(兵役義務を拒否するためだったそうです)

9日間かけて徒歩で国境を越えてパキスタンに入り、そこからフランスに亡命したのだとか。


作中に描かれている戦争は、作者が体験した戦争(ソ連対ムジャーヒディーンの戦争)をイメージしているでしょう。

そして、「女」の家に押し入る兵士たちというのは、服装や台詞から「ムジャーヒディーン」(のちの「ターリバーン」になっていく男たち)だと思われます。


しかし、本書が発表された2008年当時は、アメリカによるアフガニスタン侵攻の真っ最中でした。

アメリカによるアフガニスタン侵攻は、2001年から2021年までつづきましたね。


誰と誰が戦っているかは微妙に違いますが、戦いの構図自体はほぼ同じ(外部勢力が圧倒的戦力で攻めてきて内部勢力がゲリラ戦を戦う)なので、本書を読んでいると、違和感なく「現在の戦争」(アメリカ&連合国対ターリバーン政権の戦争)だと思えるのです。

これは作者が、具体名を一切出さずにその場の雰囲気だけで、読者に想像させていく表現力のなせる業だと思います。


とは言え、80年代をイメージして書いた(であろう)作品が2000年代に読んでも「現在」のこととして通じるというのは、良いのか悪いのか……


そう言えば、『シャーロック・ホームズ』のワトソン医師は、第二次アフガニスタン戦争で負傷して帰還した従軍医師という設定でした。

BBCが現代を舞台に翻案したドラマ「シャーロック」を見たとき、ワトソンは原作と全く同じく、アフガニスタン帰還兵という設定でしたね。

19世紀末に書かれた人物設定が、そのまま21世紀に通用するというのもおどろきです。

どれだけ戦争がつづいている地域なのだとあらためて思いました。


2024/04/06 11:47

南ノさん

南ノさんがご無事でなによりです。

報道を見て、建物の倒壊や土砂崩れなどおどろきました。

被害にあわれたかたがたに心よりお見舞い申し上げます。

余震があるので、不安ですよね。

救助活動、災害復旧がどうか早く進みますように。


お忙しいと思うので、お返事はお気遣いなくお願いします。


2024/04/03 20:41

『林檎が丘読書クラブ』更新しました
NOVEL DAYSで連載中の『林檎が丘読書クラブ』を更新しました。

今回の課題図書は、ヤスミナ・カドラ『テロル』です。

『テロル』編は全5話で完結、おまけとして次回予告が1話あります。


昨年10月7日のハマースによるテロ事件があって、今回の本が選ばれました。

前回の『真夜中の子供たち』はあらすじを追うだけで大変な長編でしたが、今回の本は長さがちょうど良かったので、より深い分かち合いができたように思います。


本書を未読であっても、議論の内容がわかるよう、本文の引用やあらすじの解説をできるだけ多く入れてみました。(既読の人にはちょっとくどいかも)

中立であるよう心がけたつもりですが、上手く伝わればよいのですが……

皆さまにとってパレスチナとイスラエルを身近に感じる一助になれば、幸いです。


ここからはあとがきというか余談です。

出版社のミルトスから「謹呈」と書かれた封筒が届いてですね。

開けてみると、ミルトス社の隔月雑誌『みるとす』2023年12月号が入っていました。

10月7日から始まったガザ・イスラエル戦争の具体的かつ専門的な分析・解説が寄稿されており、とても勉強させてもらいました。

ありがたく無料で読ませてもらいましたが、年間購読すると3600円だそうです。

出版社もふだんはこんな風に無料で配ったりしないでしょうけど、イスラエルの立場からすると日本は偏向報道なので、被害の実態をもっと知ってほしいという切実な思いがあるのでしょう。


ガザ地区に関するニュース映像は刺激が強すぎて、意識して視聴しないようにしていましたが、文字情報として読んでも、やはりショックが強いですね。

みるとす誌で佐藤優さんがこう書いていました。

「ハマスのテロはユダヤ人であるというだけの理由で殺害を認める属性排除の論理に基づくものです。ハマスはナチスと同じ発想をし、行動しているのです」


なぜテロリストは生まれたばかりの乳児まで平気で殺害できるのか、わたしには理解できませんでしたが、「属性排除の論理」という分析に腑に落ちる思いがしました。

ハマースは「イスラエル殲滅」を公式に掲げる組織です。

サイードやアモス・オズはユダヤ国家とパレスチナ国家の共存の道を模索していましたが、ハマースは「共存」を目指してない。現にそこに暮らしているユダヤ人を皆殺しにしたいと思っているわけです。今回のテロで、ハマースはイスラエル国籍を持つアラブ人たちも「裏切り者」として殺害しています。

自分たちの生存権を認めず、ナチスと同じ論理で行動するハマースと、イスラエルが「共存できない」と考えるのも当然のことだと思いました。



昨年末に、パレスチナ・オリーブさんが発行する機関誌「ぜいとぅーん」第75号(2023年12月15日発行)が届きました。

こちらでは、10月7日以降のパレスチナ側の状況が詳しく書かれていて、読んでいて悲しい気持ちになりました。

わたしは学生の頃からパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんの活動を応援しているのですが、皆川さんのルポを読んで思うのは、「共存」を願っている人々は必ずいるということです。


パレスチナ・オリーブさんが取引している「ガリラヤのシンディアナ」は、アラブ・パレスチナ女性とユダヤ女性がともに運営しています。地道な活動を三十年続けている団体です。

ハマースが目立ちすぎているせいで、全パレスチナ人がユダヤ人絶滅をのぞんでいるかのように見えてしまいますが、決してそうではないということです。


そうは言っても、イスラエル領内でのユダヤ人によるパレスチナ人に対するヘイトクライムは頻発しているし、イスラエル企業によるパレスチナ人労働者の解雇も急増しているそうです。


いくら「共存」をのぞむ人々が地道な活動をしても、こういう平和な運動は暴力に弱く、憎悪が憎悪を生むのだと思い知らされ、無力感しかないです。


2024/04/01 20:37

佐久田さん
佐久田さん、『ふきのとう日誌』完結おめでとうございます!

毎回、楽しみに読んでいました^^


第94話~第95話で取り上げておられた『見えない未来を変える「いま」』、とても興味をひかれたので、いま実際に読んでいるところです。

面白い本のご紹介をどうもありがとうございます!


奴隷制についての話題で、佐久田さんも引用されていた「道徳心に満ちた異端者」が社会を変える原動力となるという考察は、なるほどと思いました。

プラトンやアリストテレスやカントのような道徳的に優れた人物が、奴隷制に賛成の立場であったというのも、社会秩序の維持を善と考えるのならば、ごく自然なことなのですよね。

ベンジャミン・レイの方が社会秩序を乱す行動をしているので、教会から追放されてしまっています。


それにしても、初期の奴隷解放論者や初期のフェミニストたちのほとんどは、自分が人生をささげた運動の成果を見ないまま死んでいて、彼ら・彼女らの活動が実を結ぶのはずっと未来になってからなので、そんな先を見すえて活動をし続けたというのはすごいことだなとあらためて思いました。


現代でも、児童労働含め奴隷的労働自体はなくならないです(過労死するような働き方は奴隷的労働ですよね)が、少なくとも、奴隷的労働は悪であるという認識が社会の常識となった、道徳がアップデートされたというのは、人類は進歩しているのだなと感じますね。



つづく、生物兵器についての話題も興味深かったです。

生物兵器の脅威をアピールすることは、規制強化したいという意図に反して、むしろ悪意ある人々の欲望を刺激する結果となるという考察が驚きでした。

第一次世界大戦後に生物・化学兵器を規制する国際条約が作成されたことで、「生物・化学兵器は国連が認めるほど危険=戦略的に有効」と日本軍の上層部に印象付ける結果となり、むしろ生物兵器の研究が推し進められたというエピソードには、もうため息しか出ません。


社会の回復力(レジリエンス、立ち直る力)についての話題は、自然災害からの復興という意味でも身近なテーマで、未来に希望が持てるものでした。

広島、長崎の原爆被害からの回復力というのは、言われてみるとたしかに驚異的なスピード回復だなと思いました。


時事的な話題をいろいろ取り上げている本で、話し出すと止まらないですね。

引きつづき、読み進めたいと思います。

佐久田さんのほかの章のご感想も聞かせてくださいね!


『ふきのとう日誌』は完結ということですが、佐久田さんは、日常の何気ない話題を面白く読ませる天性の筆力があると常々思っています^^

また佐久田さんの日常もの、エッセイを楽しみにしています!


2024/03/11 21:29

桐乃さん

桐乃さん、お忙しいなかで『ドリームキャッチャー』を読んでくださり、どうもありがとうございます!


おお、桐乃さんも夢を覚えている方なんですね。

わたしもカラー映像の夢で、逆にモノクロの夢は見たことがないですね。

わたしの場合、音(効果音や音楽)がついている夢もあって、文字通り映画を見ているようだなと思っています。

後から思い返すとストーリーにつじつまが合わないところがあるので、そこが本物の映画と違うところですね。


夢の中で流れる音楽って、記憶の中の音楽から再構成しているのでしょうか。脳って不思議ですねえ。

また夢の話を『ドリームキャッチャー』として、書きたいと思います。


桐乃さんが良い夢をみられますように^^


2024/02/21 21:31

南ノさん

南ノさん、『林檎が丘読書クラブ』と『ぎゃらりい熊四手』をお読みいただき、どうもありがとうございます!


『真夜中の子供たち』は、噛めば噛むほど味が出るスルメのような作品だと思います。

あれはどんな意味? これはどんな意味? と考え出せばきりがなくて、その上、解釈は読者にゆだねる系小説ではなく、作者があらかじめ答えを本文に書き込んでくれているので、本当に緻密に練られた物語だなと驚嘆です。


読書会のメンバーは、皆さんそれぞれ人生経験があって、好みのジャンルや得意とする分野が違うので、わたしもいつも教えてもらっています。


10年ほど前の読書会で『百年の孤独』を取り上げたのですが、そのときは今回の『真夜中の子供たち』ほど、トークが盛り上がらなかったのです。

最後まで読み通したけど、文字を目で追っただけと言いますか……

わたしも含めて、読書会のメンバーみんな、回を重ねる毎に読書力(文章の内容や構成を理解する力)が磨かれてきているので、いま『百年の孤独』を読めば、もっともっと深い分かち合いができるのではと思ったりしています。



『ぎゃらりい熊四手』でご紹介しているダニーは、わたしが好きで集めたものです。一部、夫が購入したものもあるので、この先登場するかもしれません^^

3インチのダニーだけでなく、大きいサイズのダニーや、香港のToy2R社のQeeシリーズもそのうちご紹介できたらと思っています。


予期せぬトラブルにより、無駄に引っ越しとリフォームを繰り返すことになって、新居の内装を整えるのが遅れていたのですが、昨年の12月後半にようやくUSMハラーの飾り棚を設置することができました。

そこだけ見ると、ちょっとしたお店のようなんです!

それで、今まで仕舞っていた箱から取り出して、少しずつ飾り始めているところです。

そうそう、ブッコローのぬいぐるみも飾っていますよ~^^


わたしの趣味全開の記事におつきあいいただき、どうもありがとうございます!!


2024/02/19 22:44

ドリームキャッチャー1

わたしは朝起きたとき、夢の内容を覚えていることが多いです。

夢の話をすると、夫は自分が見た夢の内容を覚えていないと言います。


夢というのは、脳が睡眠中に断片的な記憶を整理しているのだそうです。

脳がディスクデフラグしているのですね。

なので、悪夢でも良い夢でも、そこに意味を見出すのは不毛なことなのだとか。


とは言え、悪夢を見ると、どうしてだろうとつい考えてしまいますよね。

ネイティブ・アメリカンの文化で、ドリームキャッチャーは悪夢から守ってくれるお守りです。

「ドリームキャッチャー」と題して、網目に引っかかった夢を書き留めておきます。



ーーーーーーーーーーーーー



三人称視点、映画を見ているような夢。(自分は登場しない)


ある獣医師のもとに見知らぬ少年が来る。少年は慌てている。

少年はじつは犬。

犬が人間に変身していたのだった。ライカンスロープではなく、完全な人化。

一緒に連れられて、獣医師は少年の家へ行く。

そこには飼い主夫婦が住んでいた。

家の中に入ると、老夫婦は二人ともすでに死んでいた。

死因は外的なもの。首を切られた?

気が付くと少年の姿も消えていた。犬に戻った?

獣医師は病院に戻り、友人の警察官に連絡する。

それから遺体を思い出して、ひどく嘔吐する。

【暗転】


朝起きて鏡を見ると、眉間にしわがくっきり。

今夜は良い夢を見たい。


南ノさん

南ノさん、昨夜お送りしたお手紙に誤字がありましたので、先ほど訂正しました。急いで送ろうと思ってうっかりしておりました……

誤 エブリイマジック

正 エブリデイマジック


everyday magicというのは、主に児童文学で使われる用語です。

『魔女の宅急便』のような、現実の日常生活に魔法や超自然的存在が出てくる物語を指しています。


magic realismまたはmagical realismと言えば、たしかにガルシア・マルケスなどのラテンアメリカ文学が代表的ですよね。

英語文学では、『真夜中の子供たち』のサルマン・ラシュディがマジックリアリズムの作家だそうです。

日本文学では「村上春樹がこのジャンルの最も重要な作家の一人」と英語wikiにも書いてありました。

中国語文学では莫言だそうで、他に著名な作家ではポーランドのオルガ・トカルチュク、チェコ出身のミラン・クンデラなどが挙げられます。


現実的な要素と魔法的な要素の融合がマジックリアリズムですが、異世界ファンタジーと大きく違う点は、作者が主題とする内容はあくまでも現実だということです。

現実について何かしら伝えるために魔法の要素を使用していると言えるのだそうです。


南ノさん、学生時代に村上春樹をよく読んでいらしたのですね! 講評のお三方、じつは見抜いていたんですかね!? すごい!!

創作秘話を教えてくださり、どうもありがとうございます!!


村上春樹の作品には、夢や無意識、精神分析などのモチーフが使われているので、シュルレアリスム寄りのマジックリアリズムと言えるのではないかと、勝手ながら思っています^^


2024/02/14 23:18

『林檎が丘読書クラブ』更新しました

NOVEL DAYSで連載中の『林檎が丘読書クラブ』を更新しました。

今回の課題図書は、サルマン・ラシュディの『真夜中の子供たち』です。

『真夜中の子供たち』編は全4話で完結、おまけとして次回予告が1話あります。


長編なので、あらすじと登場人物をまとめるのがとても大変でした。

(wikiよりも詳しいあらすじです)

成瀬川さんから励ましていただき、1か月以上かかってようやく公開することができました。

1960年代のインドとパキスタンの地図も掲載しているので、作品理解の助けになると思います。


この作品、読み通す(目で字を追う)だけでもかなり時間を要するのですが、書かれている内容をきちんと理解するのはもっと難しい……

今回の読書会記録が、これから同じ本を読もうとしているみなさまのお役に立てればさいわいです。


2024/02/09 20:26

こんばんは、mikaさん。

僕はmikaさんのチャットノベル好きです。丁寧な作り込みがホームメイドパイのような味わいを感じます。

『林檎が丘読書クラブ』はやっぱりチャットノベルだから読みやすいのがポイントで。

僕、ドストエフスキーをポリフォニーで考えた場合、一番強く特徴が出ているのは『未成年』で、その次に『白痴』だと思うのです。特に『未成年』なんて、あらすじ覚えているひと少ないと思うのですよね。なのに、あの独特の会話文は翻訳を僕が読んでも、バフチンが言いたかったのはこれだ、ってのがダイレクトに伝わる。それは伝わるけど、読み物として難しい。そこがチャットノベルだと親切に伝わるな、と。

ポリフォニーの説明はmikaさんが前にここに書いていた通りだと僕も思います。偶然そうなってしまったのはもう、作品は作者を超えることが往々にあるので。面白いなぁ、とこれからも期待しています!!

2024/01/31 19:25

成瀬川さん
成瀬川さん、『早退届』の「第438話 チャットノベルをつくるときには。」で、『林檎が丘読書クラブ』を取り上げてくださり、どうもありがとうございます!!

とてもびっくりしましたよ。


「チャットノベルの〈可能性〉を見ている」とのお言葉を寄せてくださり、うれしい気持ちでいっぱいです!!


『林檎が丘読書クラブ』は、次の「真夜中の子供たち」篇を制作中ですので、引きつづきお楽しみいただけましたら、さいわいです。


近々、山形の講座へ行かれる予定なんですよね。

成瀬川さんにとって実りの多い時間となりますように^^


2024/01/25 21:51

「バイブル・スタディ・コーヒー」更新しました

NOVEL DAYSで連載中の「バイブル・スタディ・コーヒー ~スラスラ読める! 聖書入門」を約1年半ぶりに更新しました。

最新話のテーマは、「ヤコブの子供たち」です。


ヤコブがラケルとレアをめとった話のつづきとなります。

今回の話のために、ヤコブ・ファミリーの人物関係図(家系図)を作成したのですが、なんと妻が4人、息子が12人、娘が1人という大家族なので、1枚の画像にまとめるのに苦心しました。

このヤコブの12人の息子たちが、やがてイスラエル十二部族の祖となっていくというストーリーです。

お時間のありますときに見ていただけましたら、さいわいです。



二人の妻が競い合うように次々と子供を産んでいき、死にもの狂いの争いを繰り広げる話は、わたしも女性ですので、読んでいて辛いものがあります。

息子を産むたびに「今度こそ……」「今度こそ……」と夫の愛を求めるレアの姿が痛ましいです。


ラケルだって、夫から一心に愛されているのだから、それで満足すればいいのではと思うのですが、こう言えるのも現代社会だからなのでしょうね。

古代社会にあっては、いくら夫の愛があっても子供がいなければ意味がなく、「わたしは死にます」と言うほど思いつめるものなのでしょう。



アフリカ諸国に関する最新の研究によると、一夫多妻制下における妻同士の競争関係が出生率上昇につながり得ることが明らかになっているそうです。(2019年の論文)


一夫多妻制と出生率との関係は、人口学においても人類学においても、さまざまな議論がされてきました。

これまでの定説は、

定説1:妻同士のライバル関係が出生率上昇をもたらす(合理的選択)

定説2:複数の妻がいる場合、一人の妻に対して夫との性交渉の頻度が自然と少なくなるため、出生率低下につながる(自然効果)

定説3:女性のエンパワメント(女性が教育を受け、性と生殖に関する知識や意思決定権を持つこと)が出生率低下につながる


定説1と定説2は矛盾していますが、どちらも的を得ていますよね。

今回の話で言えば、レアとラケルのライバル関係(定説1)が当てはまります。

レアは夫ヤコブから嫌われていたので、夫と共寝する頻度がラケルと比べて極端に少ないはずです。

そのため自然効果(定説2)によりレアの方が産む子供の数が少なくなるというのが人口学の論理ですが、実際にはレアの方が子供をたくさん産んでいますね。

これが自然ではあり得ないことなので、神のお計らい、奇跡、祝福と言えるわけです。


また一般的に、途上国の女性がエンパワメントすれば少子化になると考えられてきましたが、実はそうでもないと言うことが、最新の研究では分かってきたそうです。

一夫一婦関係にある女性の完結出生児数と一夫多妻制下にある女性の完結出生児数を比較すると、約30年前は一夫多妻制下の方が少ない(定説2が当てはまる)ですが、この30年の間に数字が逆転し、現在は一夫多妻制下の女性の方が完結出生児数が多くなっているのだとか。


一夫多妻制下では、女性の教育水準が高く妊娠と出産に関する知識や意思決定権が強いほど、妻同士の競争関係が良い意味で作用し、出生率上昇につながる結果になっているそうです。

つまり、性と生殖に関する意思決定権が夫にある場合は、一夫多妻制下においても、自然効果によって少子化になるということです。(30年前の数字が裏付け)


今回の話で言うと、もし神がレアを顧みなかったとしたら、ヤコブが愛したラケルはもともと妊娠しにくい体質だったわけですから、一人も子供が生まれなかったという可能性も十分あり得るわけですね。

うーん、興味深いですね。


参照:

日本貿易振興機構アジア経済研究所『IDE スクエアー途上国研究の最先端』(2020年)より


2024/01/22 22:01

角川武蔵野ミュージアム

先日、埼玉県所沢市にある角川武蔵野ミュージアムに行ってきました。


そこで見たイマーシブなダリ展の内容については、NOVEL DAYSの『ぎゃらりい熊四手』に書きましたので、お時間のあります時に気軽にお読みいただければ、うれしいです。


角川武蔵野ミュージアムの特色として、有料の図書館があります。

図書館なのに入場料がかかるのです!


1階にマンガ・ラノベ図書館。

4階にエディットタウン、ブックストリート、本棚劇場、荒俣ワンダー秘宝館。


1階のマンガ・ラノベ図書館は、ラノベの蔵書数はかなりのもので、特になろうやカクヨム発の異世界が舞台のラノベが充実していました。


しかし、ラノベ自体はなろう以前にも存在していたわけで、わたしが子どもの頃に読んだ藤本ひとみさんのマリナシリーズや騎士団シリーズなどが全く置いておらず、ちょっとがっかりしました。藤本ひとみさん、当時のコバルト文庫で超売れっ子作家でしたよね。

なろう以前から、剣と魔法の王道ファンタジーは人気タイトルがたくさんあって、わたしは榊一郎さんの『スクラップド・プリンセス』シリーズを読んでいました。当時、アニメは見ていなかったけど、アニメ化、漫画化もした人気作でした。

「図書館」と看板を掲げるのですから、最近の作品ばかりでなく、昔の名作も蔵書してほしいものですね。


同じく、なろう発でない、ひと昔前の異世界ファンタジーラノベである、支倉凍砂さんの『狼と香辛料』が好きでした。これはアニメも全話見ました。

角川武蔵野ミュージアムのラノベ図書館に、『狼と香辛料』は置いてあったので、うれしかったです。現代っ子たちにも手に取ってもらいたいなぁ。


マンガ・ラノベ図書館のマンガ階は、蔵書数が少なく、選書に偏りがあって、どういう基準で本を選んでいるのだろうと、疑問に思いました。

漫画がお好きな人って、個人で何百冊も持っているかた、たくさんいますよね。なので、マンガ図書館の蔵書数が「図書館」と呼ぶには、少なく感じたのでした。



4階の図書館の方は、選書に個性があり、入場料を払う価値はあると思います。

貸出していないのが、残念です。

この図書館で見つけて良いと思った本は、館内で読み終えるのは無理があるので、後から自分で買って読む必要がありますね。


この有料図書館の一角を占める荒俣秘宝館というのは、荒俣宏さんの蒐集品や蔵書を展示しているコーナーです。

動物のはく製や骨格標本、昆虫の標本などが飾られていました。

荒俣さんが選書した本棚で、国書刊行会の世界幻想文学大系がずらっと並んでいました。




うちにあるやつだ……!


世界幻想文学大系は全45巻(分冊になっている巻もあるので、実際の冊数は45以上)もあるすごいやつですが、なんと、我が家に全巻そろっているんです。

これ、荒俣さんが責任編集を務めたシリーズだったのですね!

わたしもコレクター気質がありますし、荒俣さんに謎の親近感がわきました。


我が家にある世界幻想文学大系は、もともとは読書を通じた知り合いの蔵書だったもので、そのかたがご病気になり、生前整理をしたいとのことで、わたしが全巻譲り受けたのでした。

そのかたのアパートを訪ねていったら、ご夫婦で歓迎してくださり、奥さまお手製のぬいぐるみも貰って帰ってきました。ガランとした何もない部屋がさみしく感じました。今となっては、なつかしい思い出です。


2024/01/13 11:42

南ノさん

お忙しいなかでお読みいただき、どうもありがとうございます!


ミルクガラスの厚みのあるぽってりしたシェイプ、良いですよね。

「撫でてみたい」とおっしゃっていただけて、とってもうれしいです~^^

わたしもミルクガラスのマグのやわらかいリム(飲み口)が大好きです。


わたしはファイヤーキングを10年以上前から集めておりまして、特に「アドマグ」と呼ばれているアドバタイジングを目的としたマグに心惹かれるのです。

少ない手がかりから来歴を調べていくと、当時の人々の何気ない日常が垣間見えてきて……そういう一種の謎解きが楽しいですね。


今回のカーソンズマグは、かなり秀逸なデザインだと思いますが、デザイナーさんがどなたなのか、全く分かりません。

これがエミール・ガレのガラス工芸品とファイヤーキングの食器の違いであり、アートと大量生産品の一番大きな違いだなと思います。

歴史に名前が残らなくても、優れたデザインには変わりないので、アンカーホッキング社に当時在籍していたプロダクトデザイナーさんたちを尊敬します。


2024/01/08 23:29

南ノさん
わわ、南ノさん、さっそくお読みいただき、どうもありがとうございます!

年末でお仕事がお忙しいと思いますので、息抜きに楽しんでいただけましたら、さいわいです!!


細かい台詞まで目を通してくださり、うれしい気持ちでいっぱいです~^^

第2話で紹介した品をひとめぼれして購入したのは、じつは夫なのです。

治安が悪い云々は夫の実体験です……

もう10年も前の話で、なつかしいですね。


ポートランドのセルウッドは、アンティーク・ショップが軒を連ねるアンティーク街なんです。神保町の古書店街と似たようなものですね。

そのアンティーク街で最大規模のお店であるStars Antiques Mallsで購入した品なのでした。


アートとヴィンテージが好きというのは、我が夫婦共通の趣味でして、この作品の登場人物(七里香と杏子)は、わたしと夫を融合させたようなキャラクターになっています。

キャラ二人の雑談は、夫婦の会話を反映している部分があります。

(ギャラリー・カフェの設定などはもちろんフィクションです)

なので、今回の話で言えば、すごい(勇気ある)のは夫ですね^^


そうそう、台湾の狭い路地、胡椒餅のお店の場所ですね!

すごい人気店だったようで、結局胡椒餅にはありつけなかったのですが、ああいう地元の商店街の雰囲気を感じるのは、楽しいですね^^


中東を旅行した折も、モダンな高層ビル群を見るよりも、昔ながらの雰囲気が残る旧市街やスーク(伝統的市場)を歩き回る方が楽しかったです。

こういう街歩きができるのも、やはり夫とふたり旅だからで、女ふたり旅とかだったら、好奇心よりも安全側に寄っていただろうなと思います。


それからルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引書』、ついに買いましたよ!

この年末年始に読もうと思っています~^^

表題作にバスの話が出てくるのですね……読むのが楽しみです!!


いつも温かいお言葉をどうもありがとうございます☆


2023/12/26 23:55

新連載『ぎゃらりい熊四手』
『ぎゃらりい熊四手』と題したチャットノベル作品を試験的に始めました。

今回はクリスマスにちなんだトイとプレートをご紹介しています。


わたしはNOVEL DAYS以前に、別名義でコレクターズ・ブログを書いていました。

2010年から、何度から中断を挟みつつ2018年まで続けたので、長く続いたほうかと思います。

そのブログを書き始めた当初は、ネット史におけるブログ全盛期で、趣味のブログを通じた交流というのも盛んでありました。


わたしがブログを休止している間、ブログを通じて仲良くなった共通の趣味の収集家さんたちは、ほぼインスタへ移って、ブログを続けている人がほとんどいなくなってしまって……

わたしも流れでインスタに登録してみたものの、写真だけというのは物足りず、あえなく退会。


やっぱり、どういう来歴の品なのか、その時代背景や作家のこだわりポイントなど、熱く語りたいわけです。

わたしは、ただモノを羅列するだけじゃなくて、そのモノに付随するストーリーを書きたいのだなと、あらためて気づいたのでした。

どこかでつづきを書きたい思いながら、早数年。


それでNOVEL DAYSとnote、どちらで書くか迷ってですね。

ワード検索してみて、デザイナーズトイをテーマとしている記事は、NOVEL DAYSではゼロ、noteでもほぼなし。

あんなに会員数が多いnoteですら、キッドロボットのダニーを取り上げている記事はゼロでした。

なので、結局、どこで書いても同じだろうと思って、編集画面に慣れているNOVEL DAYSで書くことにしました。


タイトルの「熊四手」というのは、樹木の名前です。

キャラクターの名前も木々からとりました。


ひきつづき、デザイナーズトイ、ロウブロウアート、ヴィンテージなど、日々の生活には全く役立たない話を書きたいと思っています。


2023/12/25 23:23

桐乃さん

『バーサーカーにおまかせ!』最新話を読みました。

桐乃さんがゲームのストーリーを楽しんでおられる様子が伝わってきて、読んでいてわくわくしました!


FGOはプレイしたことがないので、歴史上の人物や伝説(神話)上の存在をキャラクター化しているのだろう、という漠然とした知識しかない状態ですが……


今回のお話に登場する「カマソッソとニトクリス」、どちらも初めて聞いた名前でした。

ニトクリスは古代エジプト第6王朝の最後の女王だったそうで、ヘロドトスの『歴史』に名前が記されているんですね。


カマソッソ(カマソッツ)は、後期古典期マヤの『ポポル・ヴフ神話』では、冥界の支配者に仕える「コウモリの精霊」として記されているのだとか。

メソアメリカの文化では、コウモリは「夜、死、生贄」の象徴であり、カマソッソの名前は「死のコウモリ」を意味するそうですね。


(↑グアテマラ・シティのポポル・ヴフ博物館に所蔵されているカマソッソと思しき彫刻)


余談ですが、ノーベル文学賞作家であるアストゥリアスの『グアテマラ伝説集』を読んだことがあり、マヤの神話には以前から興味があります。


エジプトの歴史に実在した(かもしれない)女性ファラオと、マヤのコウモリ神を対話させようだなんて、普通に暮らしていたら考えもつかないので、彼らをゲームのキャラクターに採り入れ、ストーリーを生み出した制作者さんたちはすごいですね!

めちゃくちゃ文化横断的!!


桐乃さんのおかげで、FGOは奥深いストーリーなのだなと知ることができました。

つづきも楽しみにしていますね!


まだ体調がすぐれないご様子……。

どうかご自愛くださいませ。

桐乃さんが、この年末年始を心穏やかに過ごせますように。


2023/12/21 23:20

成瀬川さん

成瀬川さん、さっそくお読みいただき、どうもありがとうございます!


「ポリフォニー(byミハイル・バフチン)の試み」と評していただき、本当にうれしいです!!


『バイブル・スタディ・コーヒー』や『有機交流電燈 ダイアローグ』など、これまで書いてきたチャットノベルは、わたしがひとりで書いたものですので、対話形式であってもなんとなく筋書きがあり、話の着地点があります。

登場人物は全員、作者の分身であります。


一方、新しく始めた『林檎が丘読書クラブ』は、実際の読書会で交わされた会話に基づいているため、明確な「筋書き」や「着地点」が無い、という特徴があります。

登場人物にも実在のモデルがいます。

それがこれまでのわたしのチャットノベルとの大きな違いで、成瀬川さんに多声性を感じていただけたところではないかと思っています。


じつは、成瀬川さんとまきえさんが、よくコラボノベルをされているのを見ていて、独特の面白さがあるなと思っていたのです。

ふつうのチャットノベルとコラボノベルの違いを考えてみますと、会話がテーマから脱線してついつい盛り上がってしまうところや、相手が突然離脱して話が尻切れになってしまうなど、意図しない面白さがあるところが、コラボの魅力だと感じたのです。


相手がいる会話の場合、会話の流れを自分の意図するようにコントロールすることなどできませんから、その無秩序さが図らずも面白いのですね。


そういう意味で、『林檎が丘読書クラブ』はチャットノベルですが、コラボノベルに近づく試みと言えるのではないか、と思っています。


引き続き、楽しんでいただけるよう、試行錯誤しながら取り組んでいきますね!


2023/12/12 00:30

プロフィール

ロシア文学が大好きです。 2012年2月からロシア語を勉強しています。

NOVEL DAYSで活動中です。
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