日々ログ

インターミッション⓷ ラスト 28/*。
近隣との戦によって征服された民族。
他民族に蹂躙され奴隷の身分に落とされてしまった人たち。
彼らが大きな世界変動に見舞われたのは間違いない事実。
洪水に遭ったにも等しいではないか!。
これまでの生活の基盤の全て、
これまで長の年月をかけて培ってきたもののすべてが水泡に帰したのだ!。

主はいかにひとを導き給うのか?...。

彼は喪失した全世界を奪い返すこと、真実の自己回復、究極の自己救済を夢想する。

そして発見される自己回復、自己救済のための方法は、世界の観念的な私所有に

他ならない。イデアリスムとしての観念は、観念世界の内部で、全世界と全現実の

完璧な私所有を可能にするのである。


正義という観念が不正と虚偽に満ちた世界にとってかわる。


理想という観念が世界の現実にとってかわる。


彼は、受苦的な現実を観念において解消しようとするのである。

正義、理想、つまり観念の絶対性を握りしめている限り、彼こそが全世界である。

現実の世界はただの影に過ぎない。


こうして彼は、憎むべき他者と他社たちの世界を無化し、

償われうことのない憎悪を正義の名において正当化することできる。

奪われてしまった全世界を回復することができる。


しかし、こうした世界投企は、逆説的に彼自身を規定し始める。


彼の自己回復は、ただ疎外した観念(*)の絶対性によってのみ支えられているのだ。

観念が現存するものを絶対的に打ち消している限りにおいてのみ、

彼の世界回復は絶対性を保証されている。

この意味で、曖昧な、中途半端な観念は、それ自体背理であるという以外ない。


析出された観念は、自己絶対化と極限的な自己純化に向かう必然性を持つ。

この必然性は、いわば「観念の生理」である(*)。


彼方にあるものを志向するといった、遠隔対象性は、観念の基本的な属性に過ぎないが、

それが現実的な世界喪失に対する根拠なき自己回復への熱望に支えられていることを

知る時、人は観念的なるものが発生するその現場に立ち会っているというべきである。』


〈続く〉



(*)ヘーゲル的な意味での疎外だろうね。

これは首かしげるながら言えば、新たな「人格/I’/ペルソナ」創出を外化って呼んでいるんじゃないかな〜。これ駄目よ。迷宮構築にしかなんないから。やはり言葉(観念)じゃダメ。


(*)これは法理からの帰結でしかない。構造的仕組みからそうなる。ただの心理物理現象。

ルシファーが何故堕ちてサタンになったのかの根本原因。これはヒトにおける原罪の内容でもあるのかもしれない。類型的に同じだ...。



回心の為に、正道に引き戻さんとして、より心底からの、魂からの信仰を得らせんが為に、

[試練/逆境/受難]は準備せられる。選んだ民であるから、選んだ人であるから、

真剣な関わりを持たれる。



Crucial Point は、バカになれるかなれないか。

思念を巡らす自己から離れ、どれだけ神に丸ごとで成り行きを心静かにお任せできるか。

衰弱のギリギリまで行くかもしれないけどねー。


2019/10/04 19:23

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