漫画原作チャレンジ

漫画原作を考察するぜ!
寝てない。寝れない。しょうがないから書くぜ。

さてでは「どうやったらデスノートを作れるか」を考える。
逆アセンブルというやつだ。
まずこの作品、とてもわかりやすい例になってくれるのだが「読み切りVer」がある。
読み切りは小学生が拾っててんやわんやした挙句死神の消しゴムみたいのが出てきて蘇るやつだ。

当然、前述で「肝」とした「頭脳戦」が無い。
つまり「頭脳戦」は後付設定だったのである。
根本としては「大真面目にやる」があるのかもしれないが、それを尖らせた結果が「頭脳戦」になったのかもしれない。

ではどうやったら「デスノート」に「頭脳戦」という調理法を持ち込めたのだろうか。

パターンは三つ考えられる。

①「大真面目にやる」を更に拡大した。
②「誰が持つと面白いか」を考えた。
③「デスノートという能力をどう使えば面白くなるか」を考えた。

この三つ、おそらく複合での思索は行ったとは思うが、一番推したいのは②だ。
理由は、この要素は「Lがキラをプロファイリングする」「火口がノートを拾う」などの時に「誰がノートを持っているか」「どんな人間にノートを持たせるか」などで形を変えてキャラクター造詣が説明されているからだ。
この点は意識して行ったのではないだろうか?

つまり仮説としては
「デスノートをどんな人間が持ったら面白い話になるか?」=「頭脳戦」を導き出したという説である。
例えばこれはワンパンマンなどにも当てはまることだろう。
「最強の腕力を持つヒーローは、どんな性格だと面白いか?」


※ここはちょっと怪しい。
「小学生が真面目に考える話」を「天才高校生が大真面目に考える話」にグレードアップしたんじゃないかとも考えられる。


とりあえずこのパターンの他に、座談会内では「総理大臣がネーム原作者に向いている」とあったのでそのパターンも考えてみよう。

思考実験を行う。

元総理大臣が原作者となる。当然知名度で売れる。

では例えばKO泉と名前を変える。
KO泉先生のリアル総理大臣物語。
売れるだろうか。僕は売れないと思う。

では次にどうやったら売れるかを考える。
例えば「普通の女子高生がリアル総理大臣になるお話」。
普通に面白そうだ。日常シーンで面白そう。
他にも例えば「総理大臣がタイムスリップする話」。
第二次世界大戦前や、幕末あたりにタイムスリップしたら面白そうだ。
実際にどんな話になるかは、僕は総理大臣の経験が無いのでわからないけれど。

総理大臣に大きな新奇性があるのがわかると思う。
「女子高生+総理大臣」
「総理大臣+タイムスリップ」
前者の場合は女子高生という陳腐な題材を、総理大臣になるという新奇性満載の調理をした形だ。これは構図としてはデスノートに近い気がする。
逆に後者の場合、これは「総理大臣経験」という能力者と見るとわかりやすいかもしれない。総理大臣という新奇性溢れる能力を、生かすためのタイムスリップ世界観を用意したのだ。
これは三田先生のアルキメデスの大戦(数学という題材に、日本海軍という舞台)が近い構図なのではないかと推測している。

このように、いかに陳腐な題材や世界観であれ、新奇性がある項目と組み合わせればそれは新奇性溢れる漫画となる。
それぞれが新奇性が薄くとも、意外な組み合わせ自体新奇性になる可能性もあるかもしれない。


よって結論としては、最初に決める題材はなんでもよい。
「新奇性溢れる題材」+「陳腐な舞台」でも。
「陳腐な題材」+「新奇性溢れる舞台」でも。

重要なのは「新奇性溢れる組み合わせ」だ。


鈴木輝一郎先生の言葉に「ジャンルの中で素材を完結させるな!」というのがある。
ミステリに「温泉」や「列車」。ラノベに「学園」や「異世界」。
そのジャンルの中に既に内包されがちな物を使ってはいけない、ということだろう。

そのような観点もモテば、おのずと「書くべきもの」は見えてくるのではないだろうか。


まずは陳腐でもなんでもいいので、自分の書きたい題材を取り出す。
そしてその題材に対して「最も新奇性が溢れる組み合わせ」を考えるのだ。


この「題材に対しての調理法」の選定の仕方についてはもう少し考察が必要だろう。

しかし確実に、深淵へと近付いている気はするのであった。

2017/06/21 06:37

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