乳がん

経過観察になり次回の検診。

超音波の検査のための冷たいゼリーを胸部にぬりぬりされて診断です。
前回のしこりちゃんの画像と比較して大きさチェックです。


「大きくなってますね。育つスピードが通常のスピードではない」

胎児ならまあ「大きくなってますねー」はそこそこ嬉しいんでしょうが、胸にできた「しこりちゃん」ですからね。
聞いたとき、マニトゥって映画をなんとなく思いだしました。
うちの「しこりちゃん」は動かないっすけどね。

私が検査にいったのはちっちゃな個人病院でした。
検査はしてくれるんだけど手術には対応していないのです。

「良性腫瘍でもぐんぐん大きくなるものもある。しかし万が一、悪性の可能性もある。良性は通常そんなに早く大きくならないんです。良性だと思うけど、良性であってもこのスピードでしこりが大きくなるのはいいことではないので、ある段階で手術をすすめられると思う。良性腫瘍の手術は日帰りの部分麻酔で、たいしたものではないです。ただ、うちは手術までできないので別な病院に紹介状を書きます」

ここらへん、お医者さんは強制しません。
当人の判断に委ねられます。

私の胸のしこりは、私の自己申告の「どんどん大きくなってきている気がする」がなければ短い期間での経過観察と再検査もなく、あと一年二年放置で「また再来年くらいにチェックしてくださいね」と言われるような「見るからに良性の腫瘍」だったのです。

この段階で「とはいえ良性の可能性のほうが高いし、あらためて検査しなくてもまた来年でもいいかなー」という判断も私にはできたわけです。

でもそのとき私は

「部分麻酔の日帰りの手術か。やってみたいな」

と思ったのでした。

それまでの手術って全身麻酔だったので意識なくてね。
自分の身体の切開が痛くないけど意識のあるまま体験できるのか。どんなもんかなあ。

というこの好奇心が、もしかしたら私を「生きのばした」のではないかと、あとで思うのだった。

この段階ではまだピンときてなくて乳がんや胸の良性腫瘍についてなどを調べたりはしていなかった。
なすがままだった。

これはあとで反省しました。

自分の身体のことなんです。
もっと積極的に考え、調べ、知るべきでした。
これ重要。
もっと自分の健康に興味をもとう。

2017/06/11 10:07

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プロフィール

佐々木禎子(ささき ていこ)
作家。
札幌出身・東京と札幌を行ったり来たりしています。
1992年雑誌JUNE「野菜畑で会うならば」でデビュー。

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