乳がん

ハゲたあとに伸びてくる髪はチリチリしている。
生えてきた新しい髪は、チリチリしていたり、ふわふわしていたりするのだ。

抗がん剤の副作用でハゲることだけを考えていた私は「生えてくる」ことまで想像していなかった。脱毛しきった皆さんのブログは多いのだけれど、半ハゲになった私のようなタイプの方のその後の髪型について言及されているブログは見つけられずにいたし、私自身、そこは気にしていなかった。

が。

ランダムに抜けた毛が、ランダムに生えてきて、さらにその髪がチリチリもしくはふわふわ……。

意図しなかった思いもよらぬ髪型に自分の髪が変換していくのを目の当たりにして絶句。

短い毛と長い毛とチリチリとふわふわと普通のとが私の頭に咲き乱れ(咲いてないけど)ワイルドな荒野って感じのなにかが頭頂世界で繰り広げられるのをただずーっと見続けていた。
抗がん剤が終わって、薬が抜けていってからが、頭頂部世界荒野と真剣に向き合う時間です。

昔なつかしいロッドスチュアートのパイナップル的な頭とか、あとはウルフカット的なものとか、しようと思ったことのなかった髪型にどんどん変換していくし、生えてきてしまうとウィッグで隠すのも蒸れて暑いのを我慢する気もなくなるしで「妙にロックだ」「なんかパンクだ」とそのときどきの髪型を眺めて過ごしました。

ところで抗がん剤の種類によっては、投与時に、冷やすことでその箇所の細胞的なものを守って副作用を低くするみたいな考えもあるようです。
冷やすとよけいに麻痺みたいなのが出てしまうタイプの抗がん剤もあるので、種類に応じてですが。
頭頂部に冷やしてくれる帽子みたいなマットみたいなのをのせて抗がん剤投与されていた方の記事を昔に読みました。それでもタキサン系は絶対に脱毛しますが、もしかしたら私のCMFだったら、そういう対策をとったら半分まではハゲなかったのかもしれないです。そもそもCMFはそんなに脱毛がないという定説なので、私が、けっこう抜ける個体だったのだろう。

まだもう少し、副作用の話は続けますね。
そのあとで投与期間とかサイクルについて、書きます。

2017/06/19 08:57

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プロフィール

佐々木禎子(ささき ていこ)
作家。
札幌出身・東京と札幌を行ったり来たりしています。
1992年雑誌JUNE「野菜畑で会うならば」でデビュー。

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