乳がん

乳がんに使用される抗がん剤の副作用としてイメージしやすいのはひとつは「脱毛」。
そしてもうひとつは「吐き気や倦怠感」ですよね。

倦怠感は脱毛とは違い、翌日から三日以内に症状が出て、おおむね一週間くらいで抜けていき、次の抗がん剤投与の時期には消えていました。

複数回に分けて投与され(抗がん剤の種類によってサイクルが違う)ますが、回数が重なるにつれて副作用の症状が重たくなっていく。抜けているようで、薬が沈殿してるみたいなことなのか。
どんどん積み重ねられ。後ろにいくほど、具合が悪くなった。
それは仕方ない。

ところで「もうなにも食べたくない」「ギボヂワルイィィィィィ」となっているそんなときでも、どういうわけか、抗がん剤投与されていた誰もが「これなら食べられるぞ」となったミステリアスな食べ物がひとつだけあるのだ。

それは

日○さんのカップヌードルのシーフード味。

他のなにでもない「シーフード味」オンリー。オンリーワン。

がん友・がんの先輩に「がん病棟で、いろんながんの人たちが入院してて、定期的に誰もが抗がん剤を投与されてぐったりしているなかで、どの人たちも『食えないときでもこれだけは食える』となったのがこの食べ物である」と最初に言われて「そんなバカな……」と思ってたんですが。

本当なの。
これだけは食べられました。

なんでなのだろう。わからない。わからないが、以降、私は「がん宣告受けました」と友だちに言われると「抗がん剤投与で食欲なくて嘔吐ひどくてなにも食べられなくなっても、カップヌードルシーフードだけは食べられるので、用意しとくといいですよ」と伝えてます。

匂いがあるものは全部つらいので、自分での調理はあきらめること。
コンビニのサンドイッチのタマゴサンドとかポテトサンドとかもオススメです。

鉄板はカップヌードルシーフードなんですけどね。


食べないと体重減るし体力もそぎ落とされるし、あと周囲が心配するんだよね……。

乳がんって女性に多い病気で(男性が罹患することも少ないけれど、あるようですが)、年齢的に「パートナーがいて」「子どもがいて」「親もいて」のゾーンがたぶん多い。
案外、病気に落ち込んでたり、治療でへこたれていたりが、素直にできない状況の人が多い気がします。
わりと、空元気であっても出していかないと周囲がどすーんと落ち込むので、気遣いながら治療している感。でも当人は病気なので、へとへとなんですよね。
食べないと心配されるとか食べないと怒られるとか……。
そういうのも、あるんだよね……。

そういう「なんとなく理不尽な気がする」周囲への患者ならではの気遣いについてなども、しゃべログでふわふわと触れていけたらいいなと思ってます。

2017/06/22 10:09

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プロフィール

佐々木禎子(ささき ていこ)
作家。
札幌出身・東京と札幌を行ったり来たりしています。
1992年雑誌JUNE「野菜畑で会うならば」でデビュー。

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