ネームを3時間で書き上げるという、東村アキコ先生のインタビュー内容。
奇しくも、今回自分でやったやりかたと同じ内容だったので、後で詳細に分析してみる。
忘れないようにメモメモ。

>中川いさみのマンガ家再入門/中川いさみ 【第18話】 漫画家・東村アキコ登場! キャラは「ニュアンスの結晶体」?
 http://www.moae.jp/comic/mangakarestart/18/1

2017/07/21 03:32

■眼高手低のまま作品を書くぞい

僕は自分が「眼高手低」だと自覚してる。
自分の作品の粗を見つけるのがめっちゃ得意だ。
それが原因で作品を書き上げられなかった回数は両手で数え切れないぐらいだぜ、へへっ!(鼻の下をこする)

けど今回、ヤンマガ漫画原作応募作を一本書き上げられた。
内容は、『ネトゲ専門の何でも屋が、経験と知識とチートを使ってネトゲのトラブルを解決する』というもの。
「おれはこういうのを面白いと思ってるんじゃい!」って思いをエンタメに上手く落とし込められたと思ってる。

手前味噌だけど、自信作だ。
(右側のメニューのところから見れるので、よかったら見てみてね(宣伝)。)

それで本題。
『眼高手低』の状態から、「自分が納得できるものを書き上げられた」という経験はなかなか貴重なんじゃなかろうか。
なので今回、この作品が書き上げられるまでにあった経緯を記録として残しておく。

僕と同じく眼高手低の自覚がある方々の参考になれば嬉しい。
また自分が、再び書き上げられない状態に陥ったとしても、これを読み返すこと書けるようになるかもしれないという、未来への手紙の意味もある。

■書いたら書けた

眼高手低の僕がいかにして納得いくものを書けたのかを分析していこう。

感覚から言うと「書いたら書けた」という感じだった。
この言葉を聞くたびに、「何が書いたら書けたじゃい! こちとら書いても書けなくて困ってるんじゃい!」って思っていたのだけど、
まさか、つかう側に回る日が来るとは……!

では、「書いても書けなかった」と「書いたら書けた」の差はどこにあるのかを分析してみようと思う。


【書いても書けないパターン】

1:ある程度の展開を思いついて執筆を開始
2:途中で、「次の展開に悩む」、「作品のあらが見える」という障害にぶつかる。
3:解決策が見えず悩む。別の作品にしてみようかなとか思い出すが、そちらも同様の壁にぶつかる。
4:あれこれ考えて時間がすぎる。〆切直前になる。
5:「〆切まで時間がねえー! とりあえずクソでもいいから書きあげるぞー!」という意識に切り替わる。
6:強引に書き進めてみるが、途中で完成しても面白いとは思えなくなる。クソでもいいから書き上げるぞと思ったが、本当にクソになるなら書き上げる意味がないなと思う。
7:「……フッ、いまのおれがこの題材に挑むのは早かったようだな……」と言い訳し、自信を守りつつ筆を折る。

いわゆる眼高手低あるあるだ。
僕のだいたいのパターンはこれ。



【書いたら書けたパターン】

今回はこういうパターンでした。

5:「〆切まで時間がねえー! とりあえずクソでもいいから書きあげるぞー!」という意識に切り替わる。(ここまでは一緒)
6:書いてみる。あれこれと障害にぶつがるが、「ここはあの作風のあれっぽくするか」とか「ここはあのネタを使うか」とか「強引だけど、面白い要素は別に用意してあるからいいか!」と思えるようになる。
7:「……あれ、結構面白くなりそうだな?」と思い出す。そのままノリノリで書き進められる! 自分で読んで面白いレベルのものを書き上げられる! 完成!


〆切に追い詰められて、書き始めるまでは一緒なんだけど、そこからは何とか上手く障害を乗り越えられた。
まさに「書いたら書けた」って感じだ。

【両者の違いを分析1・武器が今回はあった】

自分で振り返ってみると、4までに武器を作れるかどうかの勝負だなと思った。
武器というのは「ここはあの作風のあれっぽくするか」とか「ここはあのネタを使うか」とか、そういうことを思いつける力だ(いま定義した)。

今回、書けなくなっている期間に、漫画の研究+友達にインタビューを行っていた。
その過程で「ハハァン、この作風はこういうメソッドを使っているから面白いんだな?」とか。
「第一話に必要なのはこういう要素だな?」とか。
「そういえば友達はあんなことを言ってたな?」とか。
その蓄積が、武器となって、書き始めたときに思いつけて、面白さを殺さずに書き進めることができた。

不思議なもので、こういうメソッドの武器たちは、「この先の展開どうしようかな~」って悩んでる時はあんま出てきてくれないんだよなあ。
主観的に「うお~! この先どうすんじゃい~!」ってなった時に「あ、これ使えばいける、よっしゃ~!」って感じで出てきてくれた。

この武器こそが実力なんだろうなと思う。
自分がどういう武器を持っているか、意外とこれ、書き進めてみないとわからない。
作品を書き上げるとレベルが上がるっていうけども、それは書き上げることで自分の武器が確認できて、かつそれをアウトプットしたことで磨かれたのが理由なんじゃないかと思う。


とは言え、「武器が作れたから書けた」といったけど、書けなくなった時に調べるというのは今までもやってきた。
「書けなくなったときはいっぱい調べ物しましょう!」ってアドバイスだけで書けるようになるなら、眼高手低を長年やってねえぜ……! へへへ……!

今回、今までのパターンとは違うのはもう一つ。
それは「作品のゴールを近くした」ということだ。

【両者の違いを分析2・ゴールを近くした】

ゴールを近くしたというか、自分が凡人だと知った。という感じである。

僕の作品は「ネトゲの闇」をもっと全面に押し出すつもりだった。
それに関して調べ物をしていたのだけど、その最中に、自分と同じテーマを扱っていながら、自分の書こうものより100倍ぐらい面白くしてる作品を見つけてしまった。

「ネトゲの闇」という、恐らく自分しか注目してないと思った題材を、既に完璧なエンタメにしている作品を見てしまった。
しかもそれがスゴくて、どうやっても勝てそうにない。
もうプライドがバッキバッキだ。
つまり僕は、自分が凡人だと思い知らされたことになったのだけど、それが良かった。

本当はもっとふっ飛ばした展開にしてやろうかと思っていたのだけど、凡人の僕には書き上げられると思えない。
だったら、漫画研究したときに身に着けていた、第一話に必要な要素を当てはめていくというスタイルに頭が切り替わる。
これならテンプレートに沿えばいいので、ゴールがだいぶ近くなる。

「ネトゲの闇は既にやられていたが、ネトゲチートバトルはまだ誰もやっていない題材だ(たぶん)」と思えたので、それを見せ場に持ってくることを決める。
その見せ場が決まれば、あとは穴要素になっていく。
その穴は、走り出したら、自分で身につけた武器たちが塞いでいってくれた。

と、こういう流れで、僕は今回作品を書き上げられたのである。

【つまり】

うーん? こうして書いてみると、
・実力(武器)が発揮できる題材を選んだ。
・プライドがへし折られて目が低くなった


の2点を満たしたから、僕は作品を書き上げられたということになる。
これはつまり、眼高手低の状態ではなくっている……?

武器とは実力のこと。今回はその武器が活かせる題材だった。
眼とはプライドのこと。今回はそのプライドをへし折られることで眼が低くなった。


ということなんだろうか……?

「眼高手低のまま作品を書き上げるには?」みたいな題材にするつもりだったのだけど、眼高手低を否定する結論になってしまったな……!

いやしかし、眼高手低の眼とはプライドのことである、というのは、なかなか当てはまっている気がする。
めっちゃ心当たりがあって、心臓に痛みがスーパー走っている……。
思い返せば、僕はつねにプライドを守っていたな……
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2017/07/13 04:26

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